秋元書房の本「ジュニアシリーズ 第五集」
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書 名
著 者   発 行 備 考
161 初めてのデイト 川上宗薫 探書中 S37.10.10 集英社文庫 花 9-A
162 静かに自習せよ 高谷玲子   S37.10.25 秋元文庫 B11
NHK少ドラ「マリコ」の原作
163 おさげとニキビ 佐藤愛子   S37.11.10 秋元文庫 B13
164 背のびの季節   カールスン   S37.11.25  
165 ひとりぼっちの私   クレイグ 探書中 S37.12.10  
166 無責任高校生   赤松光夫  
再版
S37.12.25
S38.11.25
 
167 女子応援団   川上宗薫   S38.01.10  
168 すばらしき級友 中村八朗  
再版
S38.01.25
S39.08.25
NHK少ドラ
「すばらしき友人」の原作
169 友よ、元気で行こう   上田平雄   S38.02.10  
170 君と僕は高校生   中村八朗   S38.02.25  
171 ハートにきた仲間 幻 余次郎
再版
S38.03.10
S39.08.30
 
172 お母さん合格よ 白黒 玉井美知子/編
再版
S38.03.25
S41.12.05
ノンフィクション
173 困った年ごろ 白黒 川上宗薫
再版
S38.04.10
S40.04.30
 
174 ミステーク時代 白黒 赤松光夫   S38.04.15 秋元文庫 B7
175 初恋よ、さようなら   A.エマリィ   S38.05.10  
176 食いしん坊の私 白黒 羽生敦子   S38.05.25  
177 校外グループ集合 斯波四郎   S38.06.10  
178 愉快なやつ   佐藤愛子  
再版
S38.06.25
S39.09.25
 
179 もっか勉強中 宮崎博史   S38.07.10  
180 いいきな高校生 川上宗薫   S38.07.25  
181 男生徒募集 赤松光夫   S38.08.10  
182 君とふたりで   上田平雄  
再版
S38.08.25
S41.08.20
 
183 あなたと私の十代 白黒 E.ルーズベルト   S38.09.10 ノンフィクション
184 誰かと誰かが 藤井重夫   S38.09.25  
185 放課後あつまれ 幻 余次郎   S38.10.10  
186 われら劣等生 赤松光夫   S38.10.25 秋元文庫 B23
ファニィ・シリーズ 2
187 女子高校・男子高校 川上宗薫   S38.11.10 秋元文庫 B60
188 ママ、おこらないで 白黒 H.コルマン   S38.11.25 翻訳権所有
189 私たちの体験記─初恋・友情─ 白黒 石上玄一郎編
(赤松光夫)
 
再版
S38.12.10
S39.01.30
ノンフィクション
190 のぶ子の悲しみ   富島健夫   S38.12.25  
191 カンナという女生徒   宮崎博史   S39.01.10  
192 友達ぎらい 白黒 C.レンディナ   S39.01.25  
193 わが家は大家族 羽生敦子   S39.02.10 表紙:大原麗子
194 くやしがりやの彼女 ウォールデン   S39.02.25  
195 純情高校生 赤松光夫   S39.03.10 表紙:大原麗子
196 クラスの女生徒 白黒 サトリー   S39.03.25  
197 さて、ヤジ公 菅原晄子   S39.04.10 ノンフィクション
198 姉妹旅行   川上宗薫   S39.04.25  
199 ぼくのガールフレンド   宮内寒弥   S39.05.10  
200 貴様と俺とは 寺内大吉   S39.05.25 ノンフィクション

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『初めてのデイト』について 一覧へ戻る
 「順平さん、わたし、奥さんじゃないのよ。ほんとうは、17歳の高校2年生よ」洋子は、のどまで出掛かった言葉をのんだ。「いざという時には、ぼくは奥さんと運命をともにします。」という純情な大学生順平の熱い言葉がつづいた。
 ふとした偶然といたずら気から若奥さんになりすました洋子と、それを信じきった順平は、大人の世界の渦にまきこまれてしまう。愛の讃歌を二人が歌う日はいつ?

『静かに自習せよ』について 一覧へ戻る
   おもな登場人物
私 ―─本名、相川マリコ。高校二年生、通称坊や、時に金魚。おさっしの通り、チビで頭の働きは子供っぽい。二年C組副委員長。
白石雅也─―皮肉屋で意地悪。席は私のすぐうしろ。秀才で委員長のくせにエスケープ組のピカ一である。
花村千太郎―不良の親分と自分でも、またクラスの者も思い込んでいるが、あんがい純情。花千といわれている。
市倉――口さえきかなければ、初対面の者はガリ勉組の秀才とまちがわれてしまうほどだが実は低空飛行の鈍才。
三木律子――スピーカーの申し子ともいわれるほどの口達者。口喧嘩では男性軍群もたじたじ。女史と呼ばれる。
老シャモ先生とエチケットおばあさん―マリコの祖父母。有閑荘と称する家に住んでいる。こわいがやさしい。

二年C組はエスケープ組とガリポソ組の二派に大別される。副委員長でしかもエスケープの大家である女生徒の体験記
私は相川マリコという本名があるにもかかわらず、坊やと呼ばれている。坊やは、「赤ん坊」からきたとも「きかん坊」からきたとも言われているが、語源はともあれ、そのあだ名にふさわしくチビであり、一筋縄ではいかぬ性格である。わがクラスの名物男といえば、皮肉屋で意地悪な委員長白石君と、通称花千といわれる不良の親分花村千太郎であろう。名物女はスピーカーの申し子とも言うべき三木律子女史である。口から生まれた彼女にかなう雄弁家は学校じゅうをさがしてもいない。これらのクラス名物男女がいかに、バカバカしい事件を起すか、まずは私のこの告白記をお読みいただきたい。
昭和49年1月「マリコ」の題でNHK少年ドラマシリーズとして放映
NHK少年ドラマシリーズについては にのPさんのHP(少年ドラマ伝説) にどうぞ
尚、bQ23「涙で顔を洗おう」はこの「静かに自習せよ」の続編である。

高谷玲子(たかや・れいこ)さんのこと
昭和14(1939)年3月生まれ。東京都立上野高校荒川分校卒業。
処女作「静かに自習せよ」は中学3年から20歳にかけて少しずつ書き上げたもの。その後ガンに冒されて入院、病院生活をしながらも「涙で顔を洗おう」と「悲しからずや」を執筆。いずれも秋元書房刊。昭和40(1965)年2月15日、肺ガンで死去。

文庫版に記述 ”この本を今は亡き 高谷玲子さんに捧げます

『背のびの季節』について 一覧へ戻る
 イカス男生徒は、大きらい 高校最上級生になった私は、落第寸前の赤ザブトンをちょうだいし、おまけに失恋して、わが生涯の最悪の日を迎えたが・・・
 私は応援団員といっても、レッキとした女生徒である。新学期からいよいよ高校最上級生になるが、この最後の一年こそ、何かいいことがありそうな気がしてならない。と、思ったが、私の期待は第一日目から裏切られてしまった。
 姉に子供が生れるので母はお手伝いさんとして出張、私は、一躍即席ママに昇格させられてしまった。料理は私の最も苦手とするところ、それに生意気ざかりのチビが3人。連日のカンヅメ料理に一家はまさに栄養失調寸前となった そしてボーイフレンドとも遊ぶ暇がなくなったのである。デイトの邪魔をする奴は犬に食われて死んじまえ、と私は悲壮な気持で叫んだ

『ひとりぼっちの私』について 一覧へ戻る
 世の中で一番恐ろしいのは男の子である、などというと、皆さんは、「へえ? アメリカにもそんな女の子がいるのかしら」と思うでしょう。私は16才、高校3年生ですが、人一倍封建的なお母さんを持ったばかりに、ガリ勉だけの何のとりえもない娘になってしまいました。―たとえばこうです。道を歩いていて行く手に男の子たちがたむろしていたら、私は知らず知らずのうちにまっ赤になってしまい、下を向くか引き返すかしなければならなくなってしまうんです。つまり、私はひとりぼっちなんです。 

『無責任高校生』について 一覧へ戻る
 ずうずうしくもハンサムボーイをもって任じている英治・貫一・俊介の三人組が、美人の女生徒をめぐってまきおこす愉快な高校生活。
北敬子は、夕陽ガ丘高校の才女で、美人である。この敬子からハートがピンク色になるようなショックを受けた三人組がいる。三人組とは、ずうずうしくもハンサムボーイをもって任じている、英治・貫一・俊介たちである。ハンサムボーイといっても、英治は色黒くニキビの花ざかり、貫一たるやノッポなのがスマートだと思っているほど単純だし、俊介となるとチョット見は秀才らしいが……、いや、いわぬが花である。さて、彼らのガールハント作戦は?

『女子応援団』について 一覧へ戻る
 ユーモラスな顔をした有島純と、男生徒あこがれの的である山城歌子が、高校野球をめぐってまきおこす、愉快でステキな高校小説。

『友よ、元気で行こう』について 一覧へ戻る
 もし私が、邦洋と浩子だったら、とおもわず考えずにはいられないほど、高校生の生き方について多くの問題をなげかける純愛小説。

『君と僕は高校生』について 一覧へ戻る
 ここには、あなたが主人公とともに喜こび、悲しみ、そして、考えさせられる。ほのぼのと心あたたまる高校生活が描かれています。

『ハートにきた仲間』について 一覧へ戻る
 木島三郎が現れるところ、いろんな人が両手でハートをおさえるのだがすでに手おくれ。彼らのハートは完全に分解してしまうのだ。
 蜜峰高校では、2年3組といえば有名である。問題を起こす偉材が多すぎるのだ。事件を起こすのを人生最大の楽しみとしている木島三郎にいたってはその最たるものだ。いつかも夏休みの研究報告に「がんもどきの裏表の区別に関する研究」なるリポートを書き、家庭科の先生の目をシロクロさせたこともある。「時々新聞」の編集をしている情報屋で、校長先生のおへそのゴマの色から、小使のオバアさんのフロ敷のツギの数まで知っている消息通でもある。
 彼の親友佐々木章次郎はクラス一のハンサムボーイをもって任じているが、実際はそれほどもてていない。ハイキングに世界地図を持っていくようなおっちょこちょいであるからであらう。その佐々木を、すっかりのぼせあがらせているのが浅木ゆめみである。たしかにゆめみはクラス一の美人である。佐々木学説によると、30センチ以上近づくと、ハチミツのような、若草のような、よく日光で干したふとんのような匂いがするそうであるが、それはあてにならない。
 その他、2年3組といえば、分別くさいクラス委員の箱田、いつでも3800円ぐらいはもっていそうなお金持ちの大山、コマーシャルソングならなんでも知っているコマキチこと坂野等、頭は弱いが、気がやさしい面々がうようよしている。
 さて、これらの偉材たちが、どんな事件をまき起こすか、これは世紀に残る、2年3組の行跡集である

『お母さん合格よ』について 一覧へ戻る
― 一女子高校生の東大受験日記 ―
 ここには、一人の平凡な女子高校生の五条耀子さんが、東大合格までどのような受験生活を送ったかが綿密に綴られてある受験報告書です。

赤尾好夫/評  入試という戦いはフェアプレーな戦いである。コネも同情も通用しない。その点、この日記は多くの受験生にとっては、自分の生活を鏡にうつしたようなものであるし、これから受験生活に入るものにとっては、合格の秘訣を書いた教科書のようなものであろう。

▽五条耀子さんは岡山の高校生でしたが、どうしても東大へ入りたいと思い、二年の時、一人で東京へ出て、東京の高校に転校しました。それから二年間、おばさんの家にイソウロウしながら受験勉強を開始した結果、現役で東大理T合格の栄冠を獲得したのです。
▽本書は五条さんの二年間の日記です。ボーイフレンドでもある岡山時代の先輩の東大生の献身的な指導、イソウロウのつらさとホームシック、何回かのスランプ、失敗を重ねていく勉強計画など興味はつきません。
▽この日記により、先生やお母さんたちに高校生の心の中を知っていただきたいものです。また受験生が五条さんと同じ毎日をすごせば、必ず大学入試に成功することでしょう。その点参考書以上の役割を果たす合格術の本とも言えます。

『困った年ごろ』について 一覧へ戻る
 「困ったもんだ」とこぼしている大人だって一度はなったのが”困った年ごろ”である。
ちょうど今、あなたがその時かもしれない。
 景浦千麻子には小さな秘密があった。それは通学電車でいっしょになる及川茂雄を、心の中でそっと想っていることである。しかし及川は、千麻子のことなど眼中にないらしい。いつも、少し不良がかった京屋はるみに話しかけるからだ。千麻子にはまったくショックである。

『ミステーク時代』について 一覧へ戻る
 ミス・城山高校の礼子。東大入学の有力候補の武。悪知恵が発達した又八。ハンサムのサンプルみたいな次郎たちの愉快な高校生活
 武と又八は城山高校の3年生で、小学校からの親友である。又八はニキビがふえるにつれ、悪知恵ばかりが以上発達していて始末が悪い。武は東大入学の有力候補である。2年生の礼子はミス・城山高校といわれる美人である。又八はずうずうしくも、自分のラブレターを礼子に渡してくれと武にたのんだが、武もまた、礼子にほのかな想いをよせていた。そんな城山高校に、東京から次郎という秀才づらをした転入生がやってきた。色白でハンサム、小鳥がさえずるような東京弁、なんで礼子たち女生徒がお熱をあげずにいられようか。又八と武には、まったくショックである。

『初恋よ、さようなら』について 一覧へ戻る
 初恋。その多くは結ばれないものといいますが、私とティムの間もしっくりいかないものが出来てしまいました。あまく、悲しい物語。

『食いしん坊の私』について 一覧へ戻る
 私はお辨当のほかにオムスビを用意するほどの食いしん坊である。と云っても笑ってはいけない。あなただって、いつも腹ペコではないか
 私は雅風学園高校二年生。朝ねぼうの大家である。これは、両親の育てかたが悪いので、私のせいではない。私はまた、食いしん坊でもある。お弁当だけではとても足りないので、別にオムスビの用意もしなければならないほどだが、これはクラスの男の子たちには内緒である。私の唯一のとりえは、清潔屋であることだが、同じ室を使用している弟の健は、人一倍のちらかし屋ときている。その上、健は私のことを”ジャガイモ”と呼ぶので、今では本名の礼子よりも通りがよくなってしまった。
 私はネズミが大きらいだ。これは赤ん坊の時にネズミに食べられそうになったからである。しかるに弟は、ネズミの一族であるモルモットを飼うという。しかも、そのモルモット、一日にきゅうりを十数本も食べる食いしん坊ときているのだ。

『校外グループ集合』について 一覧へ戻る
―学校生活のほかにもなにか大切なものがあるはずだ。そうだ校外グループよ集れ 芥川賞作家がジュニアのために書いた高校小説。―
 白鷺高校の杉光太郎は、友人の哲夫に誘われて「夜明けの会」に出かけた。目的もなく夜明けの湖畔に集まる。そんなロマンチックなところが気に入ったのだ。
「夜明けの会」は、最初からついてなかった。若林をまじえた不良グループがいやがらせにきたからだ。しかし光太郎は「よし一人になってもきてやる」とかえってファイトを燃やした。だが、彼にショックだったのは、美佐子が若林といっしょでなければ「夜明けの会」に参加しないと断ったことである。美人で頭のよい美佐子に、光太郎はほのかな想いをよせていたからだ。
 ある日「夜明けの会」の主催するサイクリングで、光太郎はまたショックをうけた。河べりで写生している若林のそばに、美佐子が並んで座っていたからだ。彼は自転車にとび乗ると、思いきりスピードを出した。にわかに競輪選手みたいに走りだした姿に気づいたのか、美佐子が手をふった。そのヒラヒラする手をみると、光太郎はよけいにいらだってペタルをふみ続けた。

『愉快なやつ』について 一覧へ戻る
 学校一のひょうきん者のぼくだって、誰れにも知られない、しっとりとした恋ごころを持つことがあるのだ!
 学校でぼくは、人気者で通っている。ぼくはひょうきん者の道化だ。チビでガニマタで全校でただ一人の手ぞりの坊主頭をしていてオッチョコチョイで、そして、成績はいつも数えやすいところにいる。つまり、ビリッケツというやつだ。
 しかし、そんなぼくにも、たった一人、恋人がいる。いや、恋人というのは正確ではない。なにしろ、小学校の時に口をきいたことがあるが、いまでは、あまりにもタカネの花すぎる。美しすぎるし、優雅すぎるし、そっと眺めるだけだからだ。
 その人、原かなめさんは、ぼくらと同じ市にある、ミッションスクールS学園の3年なのだ。上品と誇り高いことを校風にしている学校である。だから、ぼくたちW高校の女生徒たちは、まるで親のカタキのように、S学園に反感を持っている。
 そこで、ぼくたちいたずらもののグループはわが校の女の子全員を敵とすることを覚悟の上で、<原かなめ嬢を想う会>を結成したのである。

『もっか勉強中』について 一覧へ戻る
 学校一のノンキ者の応援団長が、一念ほっきして東大受験をめざし、猛勉強を開始したのだが?
 目高高校は、校舎は古いが清潔なことでは天下一品である。それは男生徒がよく掃除をするからだ。女生徒の書き違いではない。当校は女生徒が主導権を握っているからだ。
「男の子たち、教室を汚すのはあんたたちなんだから、きれいに掃除してね」
 こう言われると男生徒たちは、
「あいよ、掃除すればいいんだろ」
と、黙々として掃除することになる。
目高高校の3年には、体は大きいが気がやさしい応援団長の秋田勘助、秀才中の秀才だがノイローゼぎみの立石洋、しずしずと教室に入ってくれば、さわいでいる悪童たちも一瞬しずまる、妃殿下こと能見みつ子、女子応援団長で男まさりの佐竹都子などのそうそうたるメンバーがいるが、彼らと彼女たちの高校最後の一年間は、はたしていかに?

― 目高高校三年の面々 ―
秋田勘助―もと応援団長。引退して受験準備にとりかかる。しかし、体だけは大きいが、ねっからのお人好し、自分のことより級友のことで一生けんめい。
佐竹郁子―女子応援団長。武蔵屋旅館の娘で、熱烈な勘助ファン
立石 洋―秀才中の秀才だが気が弱い。東大志望で、いささかノイローゼ気味。
能見みつ子―洋と並ぶ才女。あだなは妃殿下。教室にしずしずとは(い)ってくると、さわいでいるむくつけき男生徒も一瞬鳴りをしずめるほどの気品をそなえている。

『いいきな高校生』について 一覧へ戻る
 こんな高校あるかしら? 世界一おめでたいのや日本一オッチョコチョイの高校生たちがまき起こす、ありそうでいて、ありっこない物語。
 ここに出てくる高校生は、みんな変わっています。たとえば、浦川千弥子さんです。彼女は人一倍、頭の働きがのんびりしています。そして腹が立つと、とたんに食欲旺盛になるというのですから健康です。
 オヒラこと平野宏子さんは、クラス一の情報屋です。彼女はいつも、こまめに動き回っています。そのため、写真によって初めて、静止したオヒラの顔を見ることができた、とさえ言われています。
 クラス一の秀才といえば、くんです。彼こそ、高慢の見本のような男です。いつも、むっつりしていて笑ったことがありません。
 そのほか、日本一オッチョコチョイの佐伯倫太くん。千弥子の前に出ると、まるでお酒を飲んだみたいに赤くなる田中茂夫くん。自称、大学生の斎藤昇くん。そして、これこそ作者自身ではないかとさえ思える、小説家の樺紙昇訓先生と、多士さいさいの顔ぶれがでてきます。
いったい彼らはなにをしでかすつもりなんでしょうか。

― 主要人物 ―
浦川美弥子―高校二年生。通称"ヤコ"。頭の働きがのんびりしている。得意芸(?)といえば、腹が立つと食欲がさかんになることである
miya-bon注:"浦川美弥子"が説明文のほうで"浦川千弥子"になっているが"千"は誤植、また他の号での紹介文でも"千"になっている。
平野宏子―美弥子と同級。通称"オヒラ"。情報屋でこまめに動き回る。彼女の写真によって初めて静止したオヒラの顔を見ることができた、とさえ言われています。
渡   ―同じく二年生。秀才で高慢の見本のような男生徒。いつも、むっつりしていてめったに笑わない。
佐伯倫太―渡の親友。オッチョコチョイなのはあまりにも有名。
斎藤 昇―自称L大生。つかみどころのないシャレタ青年。
田中茂夫―酒屋でアルバイトしている定時制高校生。
樺紙昇訓―この小説の作者、川上宗薫先生をほうふつさせる小説家。ジュニア小説の大家。

『男生徒募集』について 一覧へ戻る
 女生徒が多いからモテルとはかぎらない。彼女たちのいじわるに、男生徒の名誉をかけて、淳之介・千秋・権太の三人組はついに立ち上がった!
 朝日ガ丘高校は、全校400名のうち360名までが女子である。試験地獄といわれる昨今でも、この女生徒ばかりの高校には誰でも入れる。伝統もなく、設備も不十分な朝日ガ丘高校を第一志望にする受験生はあまりいないからだ。
 今年の男子新入生の変わり種といえば、石井権太クンと加藤千秋クンと吉川淳之介クンである。
 権太クンは中学時代からずばぬけて頭がお弱い。彼は、この高校でもビリという記録をたもつにちがいない。
 千秋クンの場合は事情がいささかちがう。ようぼうに自信過剰な彼は、この女子ばかりの高校に進学すれば、さぞもてるであろうと期待して入ってきた。しかし、そうは問屋がおろさないものである。
 淳之介クンは県下でも有数の秀才である。しかし、なぜ彼がこの高校を選んだかは誰も知らない。その秘密もさることながら、この三人がいかに女生徒たちにいじめぬかれるか、まことに手に汗をにぎる事件の連続である。

― 朝日ガ丘高校のメンバー ―
吉川淳之介―一年生。この高校は全校400名のうち、35、60名が女生徒。あまり成績の良い男生徒はいない。しかし、淳之介は秀才高校へゆくより、このような高校の方が自分をのばすのにつごうがよいだろうと考えて入学してきた。彼は秀才中の秀才である。
加藤千秋―一年生。ようぼう怪異のくせに、自分はハンサムだと思いこんでいる。女生徒ばかりの高校にいけば、さぞもてるだろうと期待して入学してきた見当はずれの男。
石井権太―中学時代より飛びぬけて頭がお弱い。この高校以外に合格できる学校がないので入ってきた。
加茂なみ子―女生徒のボスで委員長。頭もよいし統そつ力もある。
須永よし―風紀委員。太っていて腕力ナンバーワン。
片見章一郎先生―国語の先生で小説も書いている。あだ名はモグラ。
霧島美穂先生―淳之介たちの担任。独身で美人である。
     ☆
桜木ゆき―県立第一高校一年生。この高校は県下一の秀才高である。美人でハキハキしている。

『君と二人で』について 一覧へ戻る
 京都から山陰、松江へ、女子高校生と大学生の間に芽ばえた美しい初恋!ひたむきな愛を描いたロマン!
 ここは京都――
 小林道子、長岡由紀、中村知恵子、柴田栄子たちは、いずれもこの土地の高校三年生。
 道子はクラスきっての秀才。K大文学部志望で、受験勉強に専念している。
 由紀は、有名な陶器商ナガオカの一人娘、お小遣いに不自由したことのない財バツ。したがってわがまま。学校の成績もよくない。
 知恵子はスポーツ万能選手。頭は弱いが、力は強い。一見、男性ともみまがう女生徒。
 栄子は、体も大きいが動作も大まか。国立大建築学科志望のインテリ。
 太田君は、島根大学一年生の真面目な学生
 道子と由紀と太田との間に芽ばえた、ほのかな愛、ここには、現代高校生の愛情の問題が美しく描かれています。

『あなたと私の十代』について 一覧へ戻る
 この本の著者エレナ・ルーズベルトとは、前アメリカ大統領夫人のことです。本書はルーズベルト夫人が、自分の生いたち、特に十代のころのことを回想してつづった体験記です。ここには、ティーンエイジャーの誰もが経験する悩みが刻明に描かれています。
(当時)「朝日新聞」「サンケイ新聞」で、悩む少女に勇気をあたえる本と絶賛

『誰かと誰かが』について 一覧へ戻る
 北海道で、上高地で、そして修学旅行ではじめて知ったはかない恋。17才という人生でもっとも夢みがちな時に焦点を向けた四つの初恋!
 人生には幾山河の果てしない波瀾があります。この小説は、17才という人生でもっとも夢みがちな年代に焦点を向けた、四つの初恋物語です。といっても、ちょっと変わった構成で、その四つは、どれも独立した物語でありながら、全体は一つの長篇小説にもなっています。
 ていねいにかみしめて読んでくだされば、きっとあなたは、たとえば、第一話の登場人物と第四話で、ひょっくり二度目の「ご対面」をすることでしょう。
 北海道旅行の途中でふと知りあった青木梢と海老名冬男。二人の間に芽ばえた初恋は、どのように進展したのでしょう。 上高地で姉の秘めたロマンスを知ると同時に二浪で快活な集二という青年と仲よしになった牧村まゆみ、彼女の初恋は、虹のようにはかなかったのでした。 修学旅行で急病になった仙石弥江は、他の高校の男生徒の輸血で助かったのですが、命の恩人が二人も現れました。 派手好きで美人の原野節子は、不良大学生とあぶない恋の橋を渡りかけます。

   はじめに
 幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ國ぞ今日も旅ゆく――牧水の有名な歌から、この小説はうまれました。人生には幾山河の果てしない起伏や曲折・波瀾があります。かりに、17才という、人生でもっとも夢みがちな年代に焦点を向けて、四つの物語をつくりました。
 これは、ちょっと変わった小説です。四つの物語の、どの一つも独立したものでありながら、同時にちゃんと一つの長編小説にもなっています。一字ずつ、ていねいにかみしめて読んでくだされば、きっとあなたは、たとえば第一話の登場人物と第四話で、「誰かと誰かが」ひょっくり二度目のご対面をする、いったような楽しみが、この小説には仕組まれています。
 そして、読みながら楽しみ、楽しみながら若い人生の知恵をこの物語のなかから汲みとってくださるなら、作者はたいへんうれしいと思います。
                          藤 井 重 夫
   主要人物
青木 梢――緑ガ丘高校3年生。両親は北海道で牧場を経営していたが、幼い梢を残して他界。そのため、東京の叔母のもとで育てられてきた。
海老名冬男―東京Q大3年生。函館出身。下宿生活をしながら大学に通っている。
牧村立子――東京丸ノ内の大東商事に勤めているB・G。山好きだがひかえめな女性。
牧村まゆみ―立子の妹。短大1年生。姉と二人でアパートを借りている。
旗野一郎――大学を出たばかり、横浜で父の商売を手伝っている。山好きの青年。
旗野集二――一郎の弟。二年つづけて第一志望の大学をドロップし、いまは予備校がよいの二浪。
山名 学――大阪R高校2年生。学校の成績も良い真面目な生徒。
早川洋太郎―学のクラスメートでいたずら好き。
仙石弥江――兵庫県T高校2年生。山陰の城崎温泉湯島屋旅館の娘。小さいときから体が弱い。
原野節子――緑ガ丘高校3年生。美人で派手な性格。
甲田十三子―節子と同級。ミス・緑ガ丘といわれるほどの美人。
佐々木俊太郎―東京Q大3年生。海老名冬男の親友で、いっしょに下宿して大学に通っている。

『放課後あつまれ』について 一覧へ戻る
 どこの学校にも、授業中は声も立てないくせに、放課後になるとガゼンはりきる連中がいるものです。この小説で活躍する3年5組の面々もそういった種族です。
 彼らは、クラスきってのイタヅラ者、有馬三郎を会長とする事件業(?)有馬協会に所属しています。協会事務所のある有馬ビルは、総木筋製で、学校の裏山の中腹にあります。といっても、じつは、一本の大きな木で、その枝が、彼らの事務所であり会議室というわけです。
 授業終了と同時に、ここにあつまる会員といえば、会長のほか、りくつの天才、通称ベンゴシの青木正雄。クラスの誰の発育状況でもピタリとわかる、通称医学博士の尾形五郎。ふられた男が1ダースもいる、最高美人の春日阿紀子等々、多士サイサイのメンバーです。
 西に恋愛している生徒がいれば、おせっかいに遠征し、東からカンニング競技の挑戦をうければ、決然として受理、あまり使ったことのない頭をふりしぼる……といったいそがしさですが、さて、どうなることでしょうか。

   ◇作者の言葉◇
 あまり大きな声では人に言えないことであるが、私は大学を卒業するのに8年かかってしまった。これひとえに、放課後はりきった結果である。もっとも私なんぞ標準にならないが、総理大臣だって、授業中より放課後はりきったはずである。その証拠に、イケダさんは二度落第している。
 この小説に登場するのは、授業中こそカスんでいるけど、放課後になるとバッチリはりきる、優等生とは正反対の種族である。
 乞う、ご期待

   白城中学3年5組の面々(順不同)
有馬三郎――クラス一のイタズラ者。事件屋で有馬協会会長。
大西得夫――誰のデイトの申込み率もピタリ当てる解説者。
天城五郎――天文のことならなんでも知っている。
柏野 明――頭の力は弱いが、体の力はめっぽう強い強力。
春日阿紀子―ミス・白城。ふられた男生徒は1ダース。
宇田川誠――おとなしくて、頭がいい。クラス委員。
青木正雄――りくつをいうのが天才的。通称ベンゴシ。
谷小次郎――天才型の優等生。
天王寺峡二―努力型の優等生。
田中とも子―60キロを越す健康優良児。
湯元秀明――大発明家志望。
吉野さゆり―純情可憐のサンプル。
本郷鋭太郎―お金と度胸があるイカス男。
阿井ララ子―大きい目に厚いクチビル。美しき不良少女。
小平政治――身だしなみだけは満点。あだ名は外交官。
大倉安一――3500円は常に持っている大資本家。
川原信二――作家志望。
金形平次――完全犯罪が一生の望みという通称タンテイ。
加藤春夫――通称詩人。
尾形五郎――誰の発育情況でもピタリあてる通称医学博士。

『われら劣等生』について 一覧へ戻る
 人の恋愛には口ばしを入れ、コーヒーはただ飲み、インチキガイドでひともうけをたくらむ劣等生の活躍
 どこの高校にも劣等生はいるものですが、ここ、富士高校の劣等生グループ──つまり、夏木二郎・塚田文夫・浦川万助の三人──は、いささかタチが悪いようです。
 たんに成績が悪いばかりでなくどん欲でずうずうしく、その上、おせっかいときています。
 クラスの秀才で美人の桂木奈美さんなどは、最大の被害者です。
 彼らは、お小遣いの欠乏を救うため、外人ガイドのアルバイトを思いつきました。とはいえ、英語はカラッキシ駄目です。しかも、運が悪いことに、お客の第一号はアメリカン・スクールでも札つきの茶目娘の姉妹でした。英語ができないガイドが日本語を話せるアメリカ娘を案内するのですからチンプンカンプンです。
 人の恋愛に口ばしを入れたり、アメリカの劣等生と優劣を競ったり、彼らの高校生活は、人一倍いそがしいようです

    主 要 人 物
桂木奈美――富士高校2年生。旅館芙蓉≠フ一人娘。クラスで3,4番の秀才だが、お人好し。そのため劣等生たちのイタズラにしばしばひっかかる。
夏木二郎――富士高校2年生。町にある県立病院の院長の息子で東京からこの春転校してきた。英語はできるが、数学はからっきし駄目。
塚田文夫――3年生でボクシング部に入っている。しかし、外見ほど強くないし、頭もお弱い。札つきの劣等生。
浦川万助――2年生。塚田の親友で、いずれ劣らぬ劣等生。
植村 光――東大の3年生。秀才の上にハンサム、奈美と仲が良い。
ベッシー・スチュアート――アメリカン・スクールの女子高校生。
キャロル・スチュアート――ベッシーとは同級。二人は双生児の姉妹。

『女子高校・男子高校』について 一覧へ戻る
 「ゼッタイ東大はおちてみせる」という変な秀才と、オッチョコチョイの女生徒のヘンチクリンなデイト!
 里見晴子さんは、公立高校の入試に失敗して、三流の女子高校に入りました。中学では、とっぴょうしもないことをして女の子を笑わせてくれる男生徒がいたのですが、女子ばかりの高校なんてあじけないばかりです。
 結城誠太郎クンは、東大入学率が高いことで有名な男子高校の2年生です。この高校は、東大病にとりつかれたガリ勉派ばかりです。彼らの前には恋もテレビもハイキングもありません。その中で、結城クンだけは変わっています。きっと東大を落ちてみせると断言して遊んでいるのです。
 こんな結城クンと晴子さんが、通学電車の中で知り合うようになりました。
 「ぼくにガールフレンドを紹介してくれませんか」と言ったのは、結城クンです
 「どんな人が好き?」
 と言ったものの、晴子さんの心の中はおだやかではありません。
 変な秀才と、オッチョコチョイの女生徒の奇妙な交際は、かくして始まりました。

 文庫版とは、紹介文の表現が若干変わっています。昭和38年と昭和51年の時代背景があるのですね。

    主 要 人 物
里見晴子――姫松高校1年生。この高校は女子ばかりの学校である。有名校ではないが、しつけだけはうるさい。晴子は公立高校の入試に滑って、やむなくこの高校に入った。
佐藤八千代―晴子と同級。テレビの影響を多分に受けた現代娘。出しゃばりで早のみこみ。
結城誠太郎―玉泉高校2年生。この高校は男子ばかりの学校で、東大入学率が高いことで有名。誠太郎は学校でも有数の秀才だが、大の東大ぎらいという変わりもの。
高永為夫――誠太郎の中学時代からの親友で竜門高校2年。この高校も男子校。為夫は野球の選手で頭はともかく、色黒く、男性的魅力万点。
杉川智子――女子ばかりの絹岡高校3年生。高永の魅力にとりつかれ、野球狂となり、試合のたびに応援に出かける。

 文庫版とは、主人公2人の高校年が変わっています。どうもこちらのほうのまちがいのようです。

『ママ、おこらないで』について 一覧へ戻る
 おせっかいママに悩まされたガンコ娘の反抗と初恋を描いた、アメリカの高校小説
 トーリーは、高校最上級生でチャキチャキのアメリカ娘です。性格は積極的で、なかなかの自信家です。
 トーリーのママは社交婦人です。トーリーの性質はママゆずりです。こうと思いたったらどんな障害があろうが、かならずやり通さずにはおれません。しかし、母と娘が同じ性格であるというのも考えものです。トーリーとママは、ことごとに意見が合いません。彼女に言わせれば、うちのママは世界一おせっかいで、偽善家ということになります。
 そればかりでなく、ボーイフレンドのアダムとの仲がうまくいかなくなったのも、ママのせいだと言うのです。
 トーリーは友だちを集めて男まさりの大活躍をしますが、苦難にぶつかるたびに、ママのおせっかいで救われます。
「もしかすると、うちのママは、世界一やさしいママかも知れない」と、これはトーリーがある日もらしたひとりごとです。

『私たちの体験記─初恋・友情─』について 一覧へ戻る
 これこそ私たちの生活≠ニ、全国の中・高校生からよせられた体験記。 現代っ子を感じさせるかと思えば、意外に古い恋愛もあり、あなたにも思い当たる他人の告白。
本書には、進学やクラブ活動など、さまざまな学校生活を背景に、美しい初恋、ユーモアな初恋、一方文通の初恋、熱烈な初恋が書かれています。そのどれを読んでも、きっと深い感銘をうけるでしょう。
「サンデー毎日」「週刊読売」「美しい十代」で絶賛。
 毎日新聞評 
中・高校生の心の中にある現象を、初恋と友情の二点にしぼって、かなり幅ひろくつかみ出して見せて問題をなげている親切な十代の人生案内である。

『のぶ子の悲しみ』について 一覧へ戻る
 竹見のぶ子は、北九州のある炭坑夫一家の長女で、中学3年です。小さいときお父さんが死に、おかあさんは、のぶ子を連れて現在の夫と再婚しました。のぶ子の青春に悲しみがおとずれたのは、義父の失業からでした。
 一家の口べらしと唯一の収入を得るため、彼女は女中奉公をしなければならなくなりました。女中、お手伝いさんと名は変わっても、のぶ子の毎日は、屈辱の毎日でした。同じ年のお嬢さんの靴をそろえ、高校生の坊ちゃんの悪ふざけにも怒ることが出来ません。働きながら学ぶ、肉体的な疲労……そんなとき彼女の支えとなったのは沢村道彦でした。

『カンナという女生徒』について 一覧へ戻る
 松原カンナはロンドン生れの美人の女生徒。
そのカンナと、秀才で食いしん坊の逸見五郎が高校生活で知った。ほろにがい初恋の味。

『友達ぎらい』について 一覧へ戻る
 優等生と劣等生が寄宿舎のルームメートとなりました。しかも、おたがいに大キライだから始末が悪い
 とかく優等生というものは、自分だけのカラにとじこもりがちです。この小説の主人公ラシェルがそうです。彼女は、パイン・リッジ高校の2年に転入してきました。この高校は、全員寄宿舎に入らなければならない規則のやかましい高校でした。寄宿舎となると、どうしてもルームメートと顔をつき合わせなければなりません。そして、不幸にも同室者のデビーはね彼女の大きらいなタイプでした。おしゃべりで、活ぱつで、だらしがない女生徒なのです。
 やがて、秋の文化祭が始まりました。ラシェルにとっては、何の興味もわかないくだらないお祭りにすぎません。だが、その日は、ラシェルにとって、人生で最良の日になってしまったのです。すばらしいボーイフレンドとめぐり会えたからです。そして皮肉にも、その青年は、大きらいなデビーの兄さんでした。

『わが家は大家族』 一覧へ戻る
 私は高校1年生、おこげが大好きで、お肌のいろもおこげ色。そこであだ名はオコゲ。しかし残念ながら、電気ガマを買われて以来、好物にありつけない。口が大きく、おつむもあまりよくないが、こといたずらとなると、活ぱつに知恵がはたらく。さて、わが家の秀才と鈍才、そして、美人とファニーフェイスの活躍やいかに?

 下記、人物紹介文中に現在では表現不適切とされる箇所もありますが当時の時代背景もかんがみ、あえて原文のまま表記しています。

         納田家の人たち
パ パ――男尊女卑の納田家でいちばん偉いひと。しかし、妻や子供をかわいがり、もはん的なパパである。
マ マ――すべてにおいてひかえ目な、典型的日本女性。
宏助(長男)――25才でインターン生。つまり医者のタマゴ。家ではパパの次にいばっている。相撲キチで、お金をもうけて大鵬の後援会長になるのが夢というから、おつむのほうも単純である。
サク子(長女)―短大を卒業して、もっか花嫁修業中。美人だが、ヒル寝が趣味で、しかもヨダレをだすのが玉にキズ。お見合いをして、おデイトしたりするが、相手はそこまで知らない。
久美(次女)――短大2年生。色白でダンゴ鼻。将来デザイナーになり、洋裁店を開くつもり。
高子(三女)――高校1年生。オコゲが大好きな上、お肌の色もオコゲ色。したがってあだ名はオコゲ。電気ガマを買われて以来、好物にありつけない。口が大きく、おつむもあまりよくないが、いたずらするときには、活ぱつに知恵が働く。
圭介(末っ子)―中学3年生。「つまんねえな」が口グセで、プラモデルきちがい。高子を姉あつかいせず、教育しているんだというほど生意気。

『さて、ヤジ公』について 一覧へ戻る
 内村直也先生のお嬢さんがアメリカへ留学したといえば、また留学記ものかとなるが、これはいささか変っている。ヤジ公(親爺のこと)はじめ家族の反対をおしきり、自分でアメリカ人の保証人を見つけ、貨物船で渡米したが、その保証人のハウ夫人は、とてつもないイジワル未亡人で、3人の子持ち。
 初めの話とは大ちがい。手のかかる三ガキ(ハウ夫人の3人の子供)の世話から家事洗濯と女中がわりにこきつかわれ、孤軍奮闘!"アメリカ人なんか糞くらえ"と大みえをきる!「なんでも見てやろう」女性版
(カットは著者が描いたものです)

『姉妹旅行』について 一覧へ戻る
 茶目な姉妹が東京見物で出会った狼は、兎のようにか弱い青年だった。
「うまくゆくかしら?」「大丈夫よ」と高校2年の豊子と大学4年の加代子は、親の反対を押しきって、旅行に出かけようというのである。
 行き先は東京。しかも、どうせ泊まるなら一流ホテルに泊ってやろうと望みは大きい。
 東京駅からタクシーで、二人はホテル・ジャパンに乗りつけた。だが、悲しいことに、地方育ちの二人にはデラックスすぎてオドオドするばかりであった。室のトイレの使い方がわからないので、廊下をさまよったり、鍵のかけ方で冷や汗を流したり…。
 だが、本当の冷や汗は、その夜からの東京見物にたっぷり流さなくてはならなかった。まず、不良じみたおせっかいな二人の青年につきまとわれ、そして………。

『僕のガールフレンド』について 一覧へ戻る
東大合格のためには、手段を選ばず
 秀才の女子高校生をガールフレンドにしようと、鈍才がふりしぼったキバツな受験作戦とは

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