秋元書房の本「ジュニアシリーズ 第六集」
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書 名
著 者   発 行 備 考
201 わたしの好きな人   中村八朗   S39.06.10  
202 白い花びらのいのち   青木和子
佐藤鉄章/編
  S39.06.25 ノンフィクション
203 兄と弟   三浦哲郎   S39.07.10  
204 私たち登山部   野村尚吾   S39.07.25  
205 友情学校   赤松光夫   S39.08.10  
206 授業終わり   寺崎 浩   S39.08.25  
207 合格体験記 灘高等学校 解説 探書中 S39.09.01 秋元文庫 E7
ノンフィクション
208 あの時知っていたら   D.レイノルズ
山本恭子/訳
  S39.09.15 ノンフィクション
209 さようならデイト   上田平雄   S39.09.10  
210 ガリ勉派とサボリ屋   多田ひろみ   S39.09.25  
211 ねむたい 川上宗薫   S39.10.10 表紙:大原麗子
212 ちょっと行ってくる   酒巻洋行   S39.11.05 ノンフィクション
213 美人の転校生 佐藤愛子 探書中 S39.10.25 秋元文庫 B17
214 ふたりでデイトを   J.ランバート
中村凪子/訳
  S39.11.10 翻訳権所有
215 スーパー高校生(由紀と左近)   赤松光夫   S39.11.25  
216 君たちがいて僕がいた   富島健夫   S39.12.10  
217 ワンパク時代   埼玉県の中学教師
香川 茂/著
  S39.12.25 ノンフィクション
218 涙ぽろんと   鬼生田貞雄   S40.01.10  
219 毎日新聞の
高校受験必勝法
  毎日新聞社会部/編 探書中 S40.02.05 ノンフィクション
220 レモンのような娘   川上宗薫   S40.01.25 集英社文庫 花9-D
221 ふりむかないで   中村八朗   S40.02.10  
222 アカ公、なぜ死んだ   増井光子   S40.02.25 ノンフィクション
223 涙で顔を洗おう 高谷玲子   S40.03.10 秋元文庫 B16
224 いざ、サボろう   赤松光夫 探書中 S40.03.20 集英社文庫 花10-K
225 私はてんてこまい   羽生敦子   S40.04.10  
226 千羽鶴の祈り   藤井重夫   S40.04.25  
227 娘(むすめ)   野村尚吾   S40.05.10  
228 ぜったい反対   川上宗薫   S40.05.25  
229 十七才の日記   寺崎 浩   S40.06.10  
230 若さに乾杯   赤松光夫   S40.06.25 表紙:高味秀子
231 私は孤独ではない   M.ラブレイス
大久保康雄/訳
  S40.07.10  
232 高校一年生   新田次郎   S40.07.25  
233 クラス一の便利屋   多田ひろみ   S40.08.10 表紙:田中ひろみ
234 心配ないよ   川上宗薫   S40.08.25  
235 すてきなウソ   中村八朗   S40.09.10  
236 友情バンザイ   若山三郎   S40.09.25  
237 気にしない気にしない   菅原晄子   S40.10.05 ノンフィクション
238 あわてないで   ジョンソン
中村能三/訳
  S40.10.10  
239 まんなか娘 佐藤愛子   S40.10.25 秋元文庫 B26
240 悲しからずや   高谷玲子   S40.11.10  

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『ねむたい』について 一覧へ戻る
 成績はともかく、いねむりでは学校一のねむたがり。カンニングのため勉強以上の苦労をする劣等生など、珍無類の高校生7人の物語を集めた傑作集
 木野ゆかりは、ねむたがりやである。彼女は少し太っているのだ。太っている女の子は、えてしてねむりんぼうが多い。
 木野ゆかりは高校2年生である。クラスにはもうひとり、ねむりしんぼうの滝田盛光という男の子がいる。
 ある日、英語の桜井先生は、「このクラスには、学校きっての傑作が、くしくもふたり同居している。つまり、いいかね」と、黒板にチョークで
We have two sleepheads in this class.」と書いた。sleepheads とは字引をひけばねむたがりや≠ニでている。
 ゆかりは、まっかになり、うつむいてしまった。だがその時、英雄・滝田盛光は、字引を開いた上に顔を伏せて眠っていた。これによって滝田こそ、ねむたがりやのチャンピオンであることが立証されたのである。
 本書はこの他、6篇の高校小説を収録した傑作集。
 《収 録 作 品》
「ねむたい」「タイムリー・アンド・ラッキー」「幻の手紙」「イブの夜ふたりは」「ダブル・デート」「降ってきた女の子」「くれないの歌」

『涙で顔を洗おう』について 一覧へ戻る
中学3年の時に『静かに自習せよ』を書いた天才少女の著者が、その後ガンに倒れ、入院、手術、退院、再発という悲運に見舞われながらも、病床から書きつづった長篇小説
 私は女性であるのに「坊や」と呼ばれる。これは赤ん坊≠フ坊やからきたともやんちゃ坊や≠フ坊やからきたとも言われる。いささかチビであることと、頭のはたらきが子供っぽいことは事実だ。
 家にはパパもママもいない。ママは子供のころ死んだが、パパは出張が多くてときどきしか帰ってこない。お手伝いのフェリシテというれっきとした日本女性と私の二人ぐらしのようなものである。
 ところが最近、パパは誰かと再婚するらしい。古来、ママ母はママ子をいじめるのに相場はきまっている。それに、そうなれば、フェリシテはくびになるにちがいない。私はだんじて反対した。どうしてもそうなるのなら、とてもいじ悪なママ子になってやろうと決心した。
 学校では、いよいよ3年の三学期を向えた。各科の宿題は、まさに殺人的である。秀才の委員長白石君の発案で、宿題カンニング作戦は開始された。美人の転校生中条みどりも一枚加わり、細工は上々と見えたが、さっそく先生にしぼられる破目におちいってしまう……。

      登 場 人 物
坊や―─本名、相川マリコ。中学3年生だが、1年生とまちがえられるようなチビ。
コショウちゃん―本名、中条みどり。美人で詩人、頭がよくてぴりりとからい。
白石雅也─―クラス委員長。皮肉屋で秀才。
将軍─―本名、北見哲夫。隣りのクラスの秀才で生徒会長。
三木女史――本名、三木律子。スピーカーの申し子ともいわれるほどの口達者。
三好君─―白石君の親友。
市倉の若旦那―一見秀才に見えるが、成績はいつも低空飛行。
花千─―本名、花村千太郎。不良の親分と自他ともにゆるしているが、根は純情。
元祖─―3年の主任。ガリ勉の元祖といわれるだけあってうるさい先生。
フェリシテ―本名、生島エミ。相川家のお手伝いさん。
有閑荘の老夫婦―マリコの祖父母。おじいさんは元柔道家。今は道場を人にゆずり、老夫婦でつつましく暮している。

高谷玲子(たかや・れいこ)さんのこと
昭和14(1939)年3月生まれ。東京都立上野高校荒川分校卒業。
処女作「静かに自習せよ」は中学3年から20歳にかけて少しずつ書き上げたもの。その後ガンに冒されて入院、病院生活をしながらも「涙で顔を洗おう」と「悲しからずや」を執筆。いずれも秋元書房刊。昭和40(1965)年2月15日、肺ガンで死去。
尚、この「涙で顔を洗おう」はこの「静かに自習せよ」の続編である。

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