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表 紙 説 明
 私はお辨当のほかにオムスビを用意するほどの食いしん坊である。と云っても笑ってはいけない。あなただって、いつも腹ペコではないか
 私は雅風学園高校二年生。朝ねぼうの大家である。これは、両親の育てかたが悪いので、私のせいではない。私はまた、食いしん坊でもある。お弁当だけではとても足りないので、別にオムスビの用意もしなければならないほどだが、これはクラスの男の子たちには内緒である。私の唯一のとりえは、清潔屋であることだが、同じ室を使用している弟の健は、人一倍のちらかし屋ときている。その上、健は私のことを”ジャガイモ”と呼ぶので、今では本名の礼子よりも通りがよくなってしまった。
 私はネズミが大きらいだ。これは赤ん坊の時にネズミに食べられそうになったからである。しかるに弟は、ネズミの一族であるモルモットを飼うという。しかも、そのモルモット、一日にきゅうりを十数本も食べる食いしん坊ときているのだ。