一覧へ戻る
表 紙 説 明
 どこの学校にも、授業中は声も立てないくせに、放課後になるとガゼンはりきる連中がいるものです。この小説で活躍する3年5組の面々もそういった種族です。
 彼らは、クラスきってのイタヅラ者、有馬三郎を会長とする事件業(?)有馬協会に所属しています。協会事務所のある有馬ビルは、総木筋製で、学校の裏山の中腹にあります。といっても、じつは、一本の大きな木で、その枝が、彼らの事務所であり会議室というわけです。
 授業終了と同時に、ここにあつまる会員といえば、会長のほか、りくつの天才、通称ベンゴシの青木正雄。クラスの誰の発育状況でもピタリとわかる、通称医学博士の尾形五郎。ふられた男が1ダースもいる、最高美人の春日阿紀子等々、多士サイサイのメンバーです。
 西に恋愛している生徒がいれば、おせっかいに遠征し、東からカンニング競技の挑戦をうければ、決然として受理、あまり使ったことのない頭をふりしぼる……といったいそがしさですが、さて、どうなることでしょうか。

   ◇作者の言葉◇
 あまり大きな声では人に言えないことであるが、私は大学を卒業するのに8年かかってしまった。これひとえに、放課後はりきった結果である。もっとも私なんぞ標準にならないが、総理大臣だって、授業中より放課後はりきったはずである。その証拠に、イケダさんは二度落第している。
 この小説に登場するのは、授業中こそカスんでいるけど、放課後になるとバッチリはりきる、優等生とは正反対の種族である。
 乞う、ご期待
   白城中学3年5組の面々(順不同)
有馬三郎――クラス一のイタズラ者。事件屋で有馬協会会長。
大西得夫――誰のデイトの申込み率もピタリ当てる解説者。
天城五郎――天文のことならなんでも知っている。
柏野 明――頭の力は弱いが、体の力はめっぽう強い強力。
春日阿紀子―ミス・白城。ふられた男生徒は1ダース。
宇田川誠――おとなしくて、頭がいい。クラス委員。
青木正雄――りくつをいうのが天才的。通称ベンゴシ。
谷小次郎――天才型の優等生。
天王寺峡二―努力型の優等生。
田中とも子―60キロを越す健康優良児。
湯元秀明――大発明家志望。
吉野さゆり―純情可憐のサンプル。
本郷鋭太郎―お金と度胸があるイカス男。
阿井ララ子―大きい目に厚いクチビル。美しき不良少女。
小平政治――身だしなみだけは満点。あだ名は外交官。
大倉安一――3500円は常に持っている大資本家。
川原信二――作家志望。
金形平次――完全犯罪が一生の望みという通称タンテイ。
加藤春夫――通称詩人。
尾形五郎――誰の発育情況でもピタリあてる通称医学博士。