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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ171
書 名:ハートにきた仲間
著 者:幻 余次郎
初 版:S38.03.10
備 考:文庫判あり  秋元文庫ファニーシリーズB9
 蜜峰高校では、2年3組といえば有名である。問題を起こす偉材が多すぎるのだ。事件を起こすのを人生最大の楽しみとしている木島三郎にいたってはその最たるものだ。いつかも夏休みの研究報告に「がんもどきの裏表の区別に関する研究」なるリポートを書き、家庭科の先生の目をシロクロさせたこともある。「時々新聞」の編集をしている情報屋で、校長先生のおへそのゴマの色から、小使のオバアさんのフロ敷のツギの数まで知っている消息通でもある。
 彼の親友佐々木章次郎はクラス一のハンサムボーイをもって任じているが、実際はそれほどもてていない。ハイキングに世界地図を持っていくようなおっちょこちょいであるからであらう。その佐々木を、すっかりのぼせあがらせているのが浅木ゆめみである。たしかにゆめみはクラス一の美人である。佐々木学説によると、30センチ以上近づくと、ハチミツのような、若草のような、よく日光で干したふとんのような匂いがするそうであるが、それはあてにならない。
 その他、2年3組といえば、分別くさいクラス委員の箱田、いつでも3800円ぐらいはもっていそうなお金持ちの大山、コマーシャルソングならなんでも知っているコマキチこと坂野等、頭は弱いが、気がやさしい面々がうようよしている。
 さて、これらの偉材たちが、どんな事件をまき起こすか、これは世紀に残る、2年3組の行跡集である