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表 紙 説 明
 女生徒が多いからモテルとはかぎらない。彼女たちのいじわるに、男生徒の名誉をかけて、淳之介・千秋・権太の三人組はついに立ち上がった!
 朝日ガ丘高校は、全校400名のうち360名までが女子である。試験地獄といわれる昨今でも、この女生徒ばかりの高校には誰でも入れる。伝統もなく、設備も不十分な朝日ガ丘高校を第一志望にする受験生はあまりいないからだ。
 今年の男子新入生の変わり種といえば、石井権太クンと加藤千秋クンと吉川淳之介クンである。
 権太クンは中学時代からずばぬけて頭がお弱い。彼は、この高校でもビリという記録をたもつにちがいない。
 千秋クンの場合は事情がいささかちがう。ようぼうに自信過剰な彼は、この女子ばかりの高校に進学すれば、さぞもてるであろうと期待して入ってきた。しかし、そうは問屋がおろさないものである。
 淳之介クンは県下でも有数の秀才である。しかし、なぜ彼がこの高校を選んだかは誰も知らない。その秘密もさることながら、この三人がいかに女生徒たちにいじめぬかれるか、まことに手に汗をにぎる事件の連続である。

― 朝日ガ丘高校のメンバー ―
吉川淳之介―一年生。この高校は全校400名のうち、35、60名が女生徒。あまり成績の良い男生徒はいない。しかし、淳之介は秀才高校へゆくより、このような高校の方が自分をのばすのにつごうがよいだろうと考えて入学してきた。彼は秀才中の秀才である。
加藤千秋―一年生。ようぼう怪異のくせに、自分はハンサムだと思いこんでいる。女生徒ばかりの高校にいけば、さぞもてるだろうと期待して入学してきた見当はずれの男。
石井権太―中学時代より飛びぬけて頭がお弱い。この高校以外に合格できる学校がないので入ってきた。
加茂なみ子―女生徒のボスで委員長。頭もよいし統そつ力もある。
須永よし―風紀委員。太っていて腕力ナンバーワン。
片見章一郎先生―国語の先生で小説も書いている。あだ名はモグラ。
霧島美穂先生―淳之介たちの担任。独身で美人である。
     ☆
桜木ゆき―県立第一高校一年生。この高校は県下一の秀才高である。美人でハキハキしている。