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表 紙 説 明
―学校生活のほかにもなにか大切なものがあるはずだ。そうだ校外グループよ集れ 芥川賞作家がジュニアのために書いた高校小説。―
 白鷺高校の杉光太郎は、友人の哲夫に誘われて「夜明けの会」に出かけた。目的もなく夜明けの湖畔に集まる。そんなロマンチックなところが気に入ったのだ。
「夜明けの会」は、最初からついてなかった。若林をまじえた不良グループがいやがらせにきたからだ。しかし光太郎は「よし一人になってもきてやる」とかえってファイトを燃やした。だが、彼にショックだったのは、美佐子が若林といっしょでなければ「夜明けの会」に参加しないと断ったことである。美人で頭のよい美佐子に、光太郎はほのかな想いをよせていたからだ。
 ある日「夜明けの会」の主催するサイクリングで、光太郎はまたショックをうけた。河べりで写生している若林のそばに、美佐子が並んで座っていたからだ。彼は自転車にとび乗ると、思いきりスピードを出した。にわかに競輪選手みたいに走りだした姿に気づいたのか、美佐子が手をふった。そのヒラヒラする手をみると、光太郎はよけいにいらだってペタルをふみ続けた。