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表 紙 | 説 明 |
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秋元書房ジュニアシリーズ162 |
書 名:静かに自習せよ 著 者:高谷玲子 初 版:S37.10.25 備 考:未収集 文庫判あり 秋元文庫ファニーシリーズB11 昭和49年1月「マリコ」の題でNHK少年ドラマシリーズとして放映 NHK少年ドラマシリーズについては にのPさんのHP(少年ドラマ伝説) にどうぞ |
二年C組はエスケープ組とガリポソ組の二派に大別される。副委員長でしかもエスケープの大家である女生徒の体験記 私は相川マリコという本名があるにもかかわらず、坊やと呼ばれている。坊やは、「赤ん坊」からきたとも「きかん坊」からきたとも言われているが、語源はともあれ、そのあだ名にふさわしくチビであり、一筋縄ではいかぬ性格である。わがクラスの名物男といえば、皮肉屋で意地悪な委員長白石君と、通称花千といわれる不良の親分花村千太郎であろう。名物女はスピーカーの申し子とも言うべき三木律子女史である。口から生まれた彼女にかなう雄弁家は学校じゅうをさがしてもいない。これらのクラス名物男女がいかに、バカバカしい事件を起すか、まずは私のこの告白記をお読みいただきたい。 | |
おもな登場人物 私 ―─本名、相川マリコ。通称坊や、時に金魚。おさっしの通り、チビで頭の働きは子供っぽい。二年C組副委員長。 白石雅也─―皮肉屋で意地悪。席は私のすぐうしろ。秀才で委員長のくせにエスケープ組のピカ一である。 花村千太郎―不良の親分と自分でも、またクラスの者も思い込んでいるが、あんがい純情。花千といわれている。 市倉――口さえきかなければ、初対面の者はガリ勉組の秀才とまちがわれてしまうほどだが実は低空飛行の鈍才。 三木律子――スピーカーの申し子ともいわれるほどの口達者。口喧嘩では男性軍もたじたじ。女史と呼ばれる。 老シャモ先生とエチケットおばあさん―マリコの祖父母。有閑荘と称する家に住んでいる。こわいがやさしい。 |
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高谷玲子(たかや・れいこ)さんのこと 昭和14(1939)年3月生まれ。東京都立上野高校荒川分校卒業。 処女作「静かに自習せよ」は中学3年から20歳にかけて少しずつ書き上げたもの。その後ガンに冒されて入院、病院生活をしながらも「涙で顔を洗おう」と「悲しからずや」を執筆。いずれも秋元書房刊。昭和40(1965)年2月15日、肺ガンで死去。 尚、bQ23「涙で顔を洗おう」はこの「静かに自習せよ」の続編である。 |