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表 紙 | 説 明 |
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秋元書房ジュニアシリーズ213 |
書 名:美人の転校生 著 者:佐藤愛子 初 版:S39.10.25 備 考:文庫版あり 秋元文庫ファニーシリーズ B17 |
美人の転校生の出現で、クラスの男生徒はみんなウキ足だった。面白くないのは、女生徒たちだ! 双見高校2年生の伊藤クラ子は、中学時代から男の子ぎらいで名を売ってきた。学校でもほとんど男の子と話をしたことはないし、一生けんめい勉強するのも、男の子のハナをあかしてやりたい一心からなのだ。そのかいあって、今ではクラスの女生徒たちの大将格として男生徒にニラミをきかしている。 新学期、東京から花村ユキ子という美人か転校してきた。東京のR学園でも才媛とうたわれたというだけあって、英語のリーディングをすれば、まるで音楽を聞いているようにクラス中をうっとりさせてしまうし、記憶力もすぐれ、冷静で考え深く、すなをで無邪気で、たちまち男生徒たちのあこがれの的となってしまった。それどころか、担任の桂先生まで、ユキ子に話しかけるときは、ひときわ優しい。 われら女生徒、何でこれを傍観できようか! 伊藤クラ子は、親友の石原ますみと語らい、ユキ子ならびに男生徒と戦うことを決心した。 | |
主 要 人 物 私 ―― 田所朝子ことハナペシャのアコ。妹の鼻が高くなったのを見てガクゼンとする。おしゃべりでオッチョコチョイの高校2年生。姉の作った詩をしばしば失敬して発表している。 兄 ―― 進一、K大3年生。ハンサムで笑うと魅力的。最近は恋人が出来たらしい。 姉 ―― 詩的才能があったが、結婚してからは大根が高くなったとかヌカミソ的なことばかり日記に書いている。 妹 ―― 哲子こと悪漢。黒ぶちのめがねをかけ、ノッポで脚ふとく、男の子なんかポカポカなぐってしまう女傑。また手紙の盗み読みの名人で、私はいつも被害をうけている。 オマル ― 本名は丸山、私の悪友。身体が大きいのでオオマルがつまって、オマル。おしゃべりで活発だが、私の兄に会ってからは急に女らしくなる。 コマル ― 本名は丸山だがオマルとは姉妹ではない、私の悪友。身体が小さいのでコマル。おしゃべりで鼻っ柱が強く、私の兄を女性の敵だ、なんて言う。愛情と憎しみがいっしょになっているらしい。 熊沢文五郎 ― 名前も身体もたくましいが、これでもクラス一の文学青年。私の詩が姉の借りものだとも知らずに、好意をしめしている。 金田好太郎 ― 兄の後輩で写真芸術家志望。写真をとったのはいいが、私の低い鼻ばかり写して意欲的な作品だといっている。ニックネームはエントツさん。 |