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表 紙 | 説 明 | |
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秋元書房ジュニアシリーズ71![]() |
書 名:雨に歌うエミリー 原 題:Emily of New Moon 著 者:ルウシー・モード・モンゴメリ 訳 者:村岡花子 初 版:S34.04.20 備 考:原書は1冊なのだが、秋元書房からの日本語訳版刊行に あたり、ページ数の関係で前後編に分けられた。 前編がNo63「風の中のエミリー」、後編が本書。 | |
『雨に歌うエミリー』について 『風の中のエミリー』『雨に歌うエミリー』の作者モンゴメリ女史は、日本をこめて世界中に愛読されている「アン・ブックス」の作者でもあります。モンゴメリは1874年、カナダのプリンス・エドワード島州のキャベンディッシという小さい町に生まれ、1942年世を去りました。 1874年と言えば、デンマークの大童話作家アンデルゼンの死んだ年の1年前です。アンデルゼンが全世界の人々に愛され、デンマークの誇りとなっておりますように、モンゴメリはカナダ国民が最も愛し、誇りとしている作家の一人です。モンゴメリはアン・ブックスのほかにもすぐれた作品を残しておりますが、エミリー・ブックスはその代表的なものです。『風の中のエミリー』『雨に歌うエミリー』につづくエミリー・ブックスはカナダ文学において、最も高く評価され、主人公のエミリーの中には、モンゴメリ自身の姿がアンよりもはっきりと浮きぼりされています。 | ||
主 要 人 物 エミリー・バード・スター ―― この小説の主人公。空想家だが、忍耐力と闘志に富み、読書と物輪を書くことが好きである。 エリザベス・マレー ―― マレー一族のボス。背が高くて威厳があるが義務心が強く、古い時代の思想のかたまりのような女性。 ロ ー ラ ・ マ レ ー ―― エミリーの母の姉で、青い目の美しい中年の婦人。やさしい性質のため、一族の中では勢力がない。 ジ ミ ー ・ マ レ ー ―― エミリーの従兄。快活で詩を作ることが好き。 ブ ラ ウ ネ ル ―― 学校の先生。出っ歯で血色が悪く、生徒には非常にきびしい。 ペ リ ー ・ ミ ラ ー ―― 愉快で意志の強い少年。 |
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巻 末 の 訳 者 解 説 よ り みなさんは「風の中のエミリー」をおぼえていらっしゃいますか? ここにお送りする「雨に歌うエミリー」は「風の中のエミリー」の姉妹篇で、2冊はつづけて読んでいただきたいのです。 原作は“Emily of New Moon”(新月牧場のエミリー)と題され1冊になっているのですが、日本語訳ではページ数の都合で、前篇と後篇にわけられたのです。 原作者 L.M.Montgomery(モンゴメリ)は日本もこめて世界中に愛読されている「アン・ブックス」の作者です。モンゴメリは1874年、カナダのプリンス・エドワード島州のキャベンディッシという小さい町に生まれ、1942年4月24日に世を去りました。アン・ブックスの中にアボンリーという名で出ているのがこのキャベンディッシの町です。 1874年と言えば、デンマークの大童話作家アンデルゼンの死んだ年の1年前です。アンデルゼンが全世界の人々に愛され、デンマークの誇りになっておりますように、モンゴメリはカナダ国民が最も愛し、誇りとしている作家の一人です。そして彼女の作品の中で最も有名なのは、もちろん、アン・ブックスです。この一連の作品を日本に初めて紹介したことを、私は生涯の喜びとしております。 さて、モンゴメリはアン・ブックス(アボンリー・ブックスとも呼ばれています)のほかにもすぐれた作品をのこしておりますが、エミリー・ブックスもその代表的なものです。 1914年から1926年にかけてモンゴメリはアン・ブックスの中の2冊「アンの愛情」(Anne of the Island)と「アンの夢の家」(Anne's House of Dreams)のほか5冊を書きました。「新月牧場のエミリー」、「エミリーは登る」、「エミリーは求める」の3部作はこの時期の作です。この3部作はカナダ文学において高く評価されていいものです。一般にアン・ブックスがほかのどの作品よりも著者ルウシー・モード・モンゴメリの自伝的小説として認められてはいますが、まるで書くために生まれて来たように、幼い時から創作に熱中したルウシー・モンゴメリのことを思い合わせながら、エミリーとアンを比べてみますと、この性格はアンの中よりも、エミリー3部作の方に、より強く出ています。 もちろん、ルウシー自身の中にはアンの性格が多分にあったのは確かですが、そのアンのありかたはエミリーのなかにも多分に含まれています。つまり、ルウシー・モード・モンゴメリの作家としての姿はアンよりもエミリーの中にはっきりと浮きぼりされているのです。 エミリーとアンでは、エミリーの方が作者モンゴメリに似て描かれています。アンは赤毛でそばかすだらけになっていますが、少女時代から中年にかけてのモンゴメリは「新月牧場のエミリー」のように黒い髪の持ち主だったそうです。 マクドナルド牧師夫人であったL・M・モンゴメリ女史の令息チェスター・カメロン・マクドナルド氏は「白髪になるまで母の髪は黒かった」と言っています。 とにかくこういうわけで、アン・ブックスとはまたちがった意味で、エミリー・プックスには特別のおもしろさがあります。少女エミリーをアンと同じように、どうぞ、みなさん、親しみ愛して下さい。 1959年4月
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