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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ66
書 名:3月生れ
原 題:NATA DI MARZO
著 者:アントニオ・ピエトランジェリ
訳 者:若城希伊子
初 版:S34.02.20
備 考:文庫版あり  秋元文庫映画化シリーズD3
     映画「3月生れ」(1958年・イタリア)の原作
     主演:ジャクリーヌ・ササール
     監督:アントニオ・ピエトランジェリ
 ジャクリーヌ・ササールによって映画化の問題作。
 イタリアの三月は一年のうちでもっとも気候のかわりやすい月。イタリアでは三月生れの女性は、気まぐれだといわれています。この小説の主人公、フランチェスカは大学法学部の1年生で典型的な三月生れですが……。
典型的な三月生まれの娘がまき起す笑と涙。
巻 頭 ペ ー ジ ( 映 画 の シ ー ン か ら の カ ッ ト 集 ・抜 粋 )
    主 要 人 物
フランチェスカ・ジョルダーンこの小説の主人公。ミラノ大学法学部1年生で18才。3月生まれである。その性質も、イタリアの3月の気候のように気まぐれで、わがまま。一人っ子で、母と祖母と三人ぐらしである。
ジョヴァンナ・ジョルダーン ―― フランチェスカの母で衣装店を経営している。夫に早く死なれ、一人娘のフランチェスカを苦労して育てあげた。
ア ル ミ ダ ――― ジョルダーン家に昔からいる女中で、家族と同様にあつかわれている。
アレキサンドロ・グリソリア ―― (サンドロ)ハンサムな青年建築技師。電車の中で、フランチェスカと知り合い、やがて結婚するが、彼女の気まぐれに手をやく。
カ  ル  ロ ――― ミラノ大学法学部の学生で、フランチェスカのボーイフレンド。
ネツラ・サンピエーリ ―― フランチェスカ夫婦と同じアパートに住んでいる店員上がりの女性。金持ちの商人ティートと結婚する。
シ モ ー ナ ――― スイスの一流デザイナーで、サンドロの古い友達。
アイーダ、カルメラ、イネスフランチェスカ夫婦にやとわれた女中たち。
   表 紙 見 返 し 解 説 よ り
 イタリアの3月は、気候がとても変わりやすい。イタリアでは3月生まれの女性は、その天気のように、気まぐれで、わがままだといわれています。
 この小説の主人公フランチェスカは典型的な3月生まれです。18才でミラノ大学法学部の1年生で一人っ子。衣装店を経営している母と祖母の三人暮らしです。ある日、電車の中で、ハンサムな青年建築技師と知り合い電光石火のごとき結婚をしてしまいます。しかし、楽しい新婚旅行も終わったころ、そろそろ彼女の病気≠ェ頭をもたげ始めました。サンドロの仕事の邪魔をしたり、大学に通いだしたり、自動車を買わせたりします。そして、その新車のことから大喧嘩をしたあげく、家を飛びだしてしまいます。
 一人でいると淋しくてたまりません。そんな時、大学時代のボーイフレンド、カルロが近づいてきました。しかし、やはり良人を愛している彼女は、すぐに身をひいてゆきます。
 ある晩、彼女は街で偶然サンドロと会い、二人を別居させるにいたった原因などについて話しあっているうちに、二人の間に再び平和が訪れたかに見えました。ところが、フランチェスカは、持ち前の性格から、サンドロの愛をたしかめてみようと思い、最後の大きなうそをついてしまったのです。カルロが自分の恋人だと………
 すっかり本気にしたサンドロは、彼女に別れの言葉を残すと去って行ってしまいました、フランチェスカも、ちょうど来た最終電車に乗ってしまったのですが………


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