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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ26
書 名:すばらしき夏
原 題:The Enchanted Summer
著 者:グレース・ジェルヴィン・キシンガー
訳 者:永井比奈子
初 版:S32.07.25
備 考:本邦初訳、翻訳権所有
文庫版あり 秋元文庫翻訳ものシリーズC2
  ウェットな初恋ロマンス
 「すばらしき夏」は、今アメリカの高校生のあいだでもっとも新しい高校生小説です。作者のキシンガー女史はこの処女作で10代の読者の間に熱烈なファンをつくり上げました
 デビーという高校2年の少女が、高校の体育館で行われる恒例の4年生送別舞踏会で親しくなった男の子との間に体験した、甘酸っぱいウエットな初恋物語です。現代アメリカの代表的な女子高校生のありのままの姿が、特にボーイフレンドとの自由で楽しいデイトのありさまが実に生き生きと描きだされています。
日本の高校生の皆さんはきっと羨ましくてため息が出るにちがいありません。
  素敵なデイト物語
 「すばらしき夏」は、ステキなデイト物語です。デイトがどんなに楽しいものか、女の子にとってどんな意味を持っているか、そしてデイトのない女の子がどんなにどんなにさびしいものか、この小説はしみじみと教えてくれるでしょう。
  《知っておきたいアメリカ高校生用語集》を巻末に収録
 この本の中にはかなりたくさんの日本語に訳しようのない語句がでてきます。この本に限らずジュニア・シリーズをお読みになる上でぜひ基礎知識として知っておきたいアメリカ高校生用語を豆辞典ふうに解説しています。
    主 要 人 物
デボラ・グレッグ ―― (愛称デビー)、メイプルウッド高校の2年生で16才の少女、ブルーネット色の髪をしている。この物語の主人公。二人姉妹の次女。
アイリーン ――― デビーの姉、美人の若い未亡人で、子供のキットを連れてグレグ家へ帰り銀行で働らいている。
ジェーン・フィスカス ― デビーの親友の女の子。同級生。
トム・パーカー ― デビーのボーイフレンド。ダンスなどは不得手な勉強型の高校4年生。
バフ・アリソン ─ スポーツ万能選手で女の子に人気のある大学生。長身の美男子、父は工場労働者で裕福でないためスポーツ奨学資金でカレッジに通学している。
キャロル・シェリダン ─ バフたちの父が働らく工場の持主の令嬢。おしゃれなブロンドの美人。
ポール・ホリスター ―― デビーの父の保険会社に働らく弁護士、独身でものわかりのいい青年。アイリーンに好意を寄せる。
タイニイ・マホニイ ―― マスタングス・チームのマネージャー兼捕手。
メリイ ――― タイニイの夫人。
フラン ――― デビーの上級生で素行のよくないフラッパー娘。
ピート ――― フランのボーイフレンド、マスタングスの野球選手で明朗な青年。
  日本の読者のみなさんへ ――
 「すばらしき夏」は、アメリカのごく普通の小さな町に住むティーン・エイジの代表的なアメリカの少女、デボラ・グレグの物語です。ですから、あらゆる点でデボラのこの物語は、典型的なアメリカの物語といえるでしょう。私は、いずこの国の少女であれ、初恋の経験をしたデボラに対して、理解と同情よせてくださるだろうと思います。というのは、デボラはかしこく美しい少女ですが、彼女はまだ若いのです。多くの少女とおなじように思慮分別が十分だとはいえません。ですから結果的には、デボラの最初のロマンスは彼女が夢みていたように満ち足りたラブとはならなかったのです。
 私はみなさんがこのデボラ・グレグの物語を楽しく読み、そして彼女とそのすばらしき夏≠いっしょに味わってくださるとともに、彼女の心の中にあなたご自身のすがたをみつけてくださることを願っております。
1957年4月20日
ペンシルヴェニア州ピッツバーグにて
グレース・ジェルヴィン・キシンガー
  裏表紙 解説より
 デビー・グレグはメイプルウッド高校の2年生。夏休みを間近にひかえ、今年も卒業週間のクライマックスである卒業舞踏会≠ェ高校の体育館で華々しく催され、デビーもおめかしして出かけます。しかし、内気な彼女は、楽しげなグループにも入れず「壁の花」になってしまいます。「壁の花」とは、パートナーがなくてぼんやりしている女の子のことです。やっぱり来るんじゃなかったわ………そう思っていたとき、突然「踊らない?」と彼女の耳もとで低くささやくような声がしました。ふりむくと、バフ・アリソン ── 高校生に人気のあるスポーツマンで、いまカレッジに行っているハンサムな男の子でした。次の瞬間、デビーは彼の腕に抱かれてすべるように踊り出していました。二人の目と目がじっとみつめあいました。彼女はそれがなにか重大なことの始まりなのだという予感に小さな胸をときめかせました……。
 その夜は、16才のデビーにとって、生まれて初めてのロマンス誕生を告げる、すばらしい夏のはじまりとなったのです。星空の下のロマンチックなドライブ、ジューク・ボックスの音楽にあわせて夢みるようなダンス………楽しいデイトの毎日がつづきます。でも、バフはなぜ彼女の家族の前であんなに無愛想で気むずかしいのかしら? なぜいつもぎりぎりになってデイトを申し込むのかしら?
 疑いは日を追ってひろがってゆき、デビーを悩ませます。やがて、キャイディ湖畔の避暑旅行から帰ってきた時、デビーは思いがけない悲しい知らせを聞かされました………。

 「すばらしき夏」は夢みがちな思春期の少女に深い理解と愛情を持って描かれた、ウエットな初恋ロマンスで素敵なデイト物語です。作者のキシンガー女史はこの処女作で10代の読者に熱烈なファンを作り上げました。 今アメリカの高校生の間ですごい人気を呼んでいる、もっとも新しい高校生小説がこの「すばらしき夏」です。


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