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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ20
書 名:十五才の頃
原 題:Fifteen
著 者:ヴィバリー・クリアリイ  訳:内村直也
挿 画:ジョー・クラッシュ/ベス・クラッシュ
初 版:S32.02.28
備 考:本邦初訳・翻訳権所有
文庫版あり秋元文庫翻訳ものシリーズC1
 十五才のジェーン・パーディは高校二年生。ボーイフレンドが切実にほしくなる年頃です。夏休みのある日、町のノートン家に子守りのアルバイトに出かけ、そこで日頃から夢見ていたようなハンサムな少年スタンと知合いになります。彼も高校生でアルバイトにトラックで犬の飼料の馬肉配達をしているのです。若い健康な十代のこの少年と少女のあいだに、無邪気な明るいしかし胸のおどるようなデイトがはじまります。……
 スタンに誘われた最初のデイトは、仲良しのクラスメートのジュリー、マーシ、グレグの四人で、土曜日の夜十マイルほど離れた都会へ自動車で出かけて、そこの支那町で夕食をする計画でした。自動車はスタンのアルバイトに使っている犬用の馬肉運搬用と大きくペンキで書いてあるトラックなのでがっかりしますが、それでも十五才のジェーンには生れて初て体験するデイトなのです。それはいままでにないすてきなロマンチックな夜になるにちがいありません。……
    主 要 人 物
ジェーン・パーディ ― 15才の高校生。目立たない少女だが、ボーイフレンドが切実にほしい年頃。この小説の主人公。
スタン・クランドル ― 都会から転校してきた頼もしい好少年。現在、犬のたべる馬肉配達のトラック運転がそのアルバイト。ジェーンの理想のボーイフレンドとなる。
ジ ュ リ ー ――― ジェーンの親友で同じ15才。気のよい陽気な、ふとった少女。
バ   ズ ――― ジュリーのボーイフレンドになる少年。おっちょこちょいなところがある。
マ ー シ ――― なかなかの美少女。おしゃれの気取りやさん。ぜいたくで大人のような服装を好む。次から次へとボーイフレンドを変える華やかな存在。
グ レ グ ─―― マーシの現在のボーイフレンド。スマートなはでな存在。将来の学生会々長タイプ。
リ    ズ ─―― いわゆる知的な勉強家タイプ。本の虫。
ジ ョ ー ジ ――― ジェーンの幼な友達、石の蒐集に夢中。
 この「十五才の頃」(Fifteen)は「たのしくほほえましいデイト物語」です。アメリカの地方都市の中流家庭に育った少女ジェーンが思春期をむかえ、生れて初めて体験してデイトを、じつに生き生きとえがき出しており、ユーモアと愛情のあふれる高校小説となっています。 テイーン・エイジャーの友情と社交、おさないけれども異性に対する愛のめざめ、初めてデイトする娘に対する母親の心づかい、理解ある父親の態度等、自由で明るいアメリカの十代の人たちの心理と社交生活、家庭生活が如実に書かれており、日本の十代とはかなり生活環境がちがうにしても、教えられ考えさせられることの多い愉快な小説です。日本のティーン・エイジャーのみなさんも、この物語のジェーンのように自由に明朗にそして夢をもって、しかも自分というものを大切にして、二度と帰ってこない十五才という年をおくって頂きたいと思います。
 作者のクリアリ女史は、十代のための小説を書くのを一生の仕事としているアメリカの作家で、1950年以来毎年一冊ずつ作品を発表しています。この「十五才の頃」は第七冊目のもっとも新しい小説です。


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