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表 紙 | 説 明 |
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偕成社版 少女小説シリーズ7 この本は、こまねこさんよりご提供 いただきました。ありがとうございました。 |
書 名:いつわりの微笑 著 者:津村節子 初 版:偕成社版1970年12月 収録4版1975年 9月 |
こ の 物 語 に つ い て 作者のことば より 私は九才の時に母を、十五才の時に父を失いました。感じやすい少女期に相継いで両親を失ったわけですから、その悲しみはことばで言いつくせないほどでした。 しかし、それほどの打撃を受けながら、やがて自分よりも不幸な人の存在にも心がむくようになり、いたずらに悲しみに浸っているより、新しいことに眼をむけるほうが、痛手から早く立ち直れるということも知りました。 平穏な生活を送れればこれに越したことはありませんが、自分にふりかかってきた運命は、すべて自分を成長させるために与えられた試練と考えれば、あながち不幸とばかり言えない気がします。若いこころは、悲しみも苦しみも比較的早く忘れることができる柔軟さと、常に未来を見つめようとするたくましさをもっているのです。 津 村 節 子 |