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表 紙 説 明




「まんなか娘」について
 なにがつまらないといって、まんなか娘ほどつまらないものはない。あたしは高校二年生。5人きようだいの3番目。上と下からはさまれて、悲しきサンドウィッチの歎きを、かよわきこの身ひとつに引き受けているのだ。
「なんです、妹のくせに
「なんです、お姉さんでしょ、あなたは……」
 おとなという者は、まったく悪がしこい。ひとを上げたり下げたりしておきながら、洋服なぞは姉のお古ばかり着せるのだ。そのくせ、妹のときは傷んだからといって新調だ。
 そして、この姉というのが、いくらか美人だから始末が悪い。「お姉さんが、お前くらいのときは、もう少し女らしかったけどねえ……」とくる。一方、悪がしこい妹と比較されては、「妹が高校へ入ったら、負けるようなことがなければいいけど……妹さんの方がしっかりしていると、よくいわれるのよ……」だとさ。ああ、耳が痛いもし、ひとり娘だったらどんなによかっただろう。

「愉快なやつ」について
学校一のひょうきん者のぼくだって、誰にも知られない、しっとりとした恋ごころを持つことがあるのだ
 学校でぼくは、人気者で通っている。ぼくはひょうきん者の道化だ。チビでガニマタで全校でただ一人の手剃りの坊主頭をしていてオッチョコチョイで、そして、成績はいつも数えやすいところにいる。つまり、ビリッケツというやつだ
 しかし、そんなぼくにも、たった一人、恋人がいる。いや、恋人というのは正確ではない。なにしろ、小学校の時に口をきいたことがあるが、いまでは、あまりにもタカネの花すぎる。美しすぎるし、優雅すぎるし、そっと眺めるだけだからだ。
 その人、原かなめさんは、ぼくらと同じ市にある、ミッションスクールS学園の三年生なのだ。上品と誇り高いことを校風にしている学校である。だから、ぼくたちW高校の女生徒たちは、まるで親のカタキのように、S学園に反感をもっている。
 そこで、ぼくたちいたずらもののグループはわが校の女の子全員を敵とすることを覚悟の上で、<原かなめ嬢を想う会>を結成したのである。 


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