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表 紙 説 明
はっさん、こと「織本 初」は山形県から東京の「加治木さん」のところに女中奉公にやってきました。修学旅行のときお金を落として困っていたとき、ここの奥さんに助けてもらったのがきっかけでしたが、彼女は年とった両親に仕送りをして少しでも楽させたいと思っていたので、女中奉公をしようと思いやってきました。 が、少々押しかけぎみだったようです。
はっさんは一生懸命働きました。ある日、すこし変わり者の「勝見坊ちゃん」のおねしょの世話をしたことから、彼はすこしずつ、はっさんに心をひらいていきます。 働きものの女中との心の交流のなかで少年が少しずつ成長していくさまが書かれています。

この作品について   板垣直子
 『女中っ子』は、昭和29年、雑誌「小説新潮」に発表した作品である。この小説は由起しげ子の短編のなかではめずらしく、純客観的な題材を使っている。しかし、ここにあつかった事件は、あるいはかつて作者の家に起こった事実かもしれないし、また、ありそうな気もする。もしそうだとすれば、私的な経験を純粋に客観的に描いたことになるから、むしろ小説の大道をいった傑作だといえるだろう。作品全体の組み立てや個々の描写も、非常に円熟している。

他収録作品:「一年の間に」「脱走」「夕すげ」「買手たち」「北風の笛」
由起しげ子│東京世田谷の自宅にて 昭和四〇年ごろ


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