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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ94
書 名:青い果実
原 題: 
著 者:アン・エマリイ
訳 者:中村能三
初 版:S34.12.15
備 考:翻訳権所有
   『 青い果実 』 に つ い て
 高校最高学年のジーンは今年こそ音楽の勉強に精を出そうと決心した。しかし残念なことにボーイフレンドのジェフは音痴だった。彼女はデイトなんか時間の浪費だと思えてきた。
17才のジーンを中心に、グラマーガールのキム、ボーイフレンドのジェフや大学生のスコッティ等がかもしだす明るい高校青春小説。
   前 号 紹 介 記 事 よ り
 あたしはジーンといって17才。新学期から高校の最高学年に進学したの。あたしは、9つの時からピアノのレッスンを受けていたけど、今年こそ本当に音楽の練習にうちこんで、来年は、ぜひ音楽で有名なオーヴァトン大学に進学して、奨学金を獲得したいと思っています。それなのに、ボーイフレンドのジェフは、先天的の音痴で、音楽が全然わからないんです。あたしは、そんなジェフとデイトに無駄な時間を費やすのはもったいない気がしてきました。もっとも、ジェフの方は相当深刻に悩んでたらしいんですけど……。
 新学期から、あたしのクラスにキムという少女が転校してきました。彼女はお父さんが海外駐在の新聞記者のため、外国生活もたくさん経験していて、着てくる服も、話も、とてもミリキなのです。それに家庭も自由放任主義で、あたしはすっかりうらやましくなってしまいました。あたしはキムとすぐ仲良くなりました。あたしはキムみたいになりたいと思いました。でも、それがあたしにいい結果をもたらしたかどうかは疑問でしたが……。
 その頃、あたしの家の隣のスコッティが、コロラド大学から土地のノーザン大学に転校してきました。しばらく会わなかった幼なじみのスコッティに再会した時、あたしは胸の中がジーンと熱くなるのを感じました。あたしはスコッティになら、なんでも打ち明けて相談できるような気がしました。でも、そんなあたしの気持ちをジェフはすぐかぎつけてしまったようです。彼には悪いんですけど、二人をくらべると、ジェフなんて問題じゃないんですもの……。
 月日のたつのは早いものです。あたしとキムとの友情も一度頂点に達しましたが、やがて次第にさめていくようになりました。それは、キムがあまりにもエゴイストで無責任なせいです。そして、とうとう、彼女のおかげであたしまで、停学になるような事件が起こってしまいました。それはなんだと思います?