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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ56
書 名:制服の処女
原 題:Madchen in UNIFORM
著 者:フランツ・ヘラーリング(58年映画脚本版)
訳 者:山本恭子
初 版:S33.10.15 再版:S41.11.15
備 考:映画「制服の処女」(1931年58年・ドイツ)の原作
     原作:クリスタ・ウィンスロー
     主演:31年ヘルタ・ティーレ    58年ロミー・シュナイダー
     監督:31年レオンチーヌ・ザガン 58年ゲザ・ラドヴァニ
 マヌエラは規律のやかましい、郊外の女学校に転校してきた。
母のないマヌエラは、若くて美しい女教師ベルンブルグ先生を心から慕った。それは師弟愛というより、Sだった。
やかましい校長、陰険な友だちのシット。
不良のレッテルをはられ、ベルンブルグ先生との間をたたれた彼女は、自殺を決意してラセン階段を一歩一歩のぼっていった……。
初版に掲載、58年版映画の一シーン
    主 要 人 物
マヌエラ・フォン・マインハルディス本篇のヒロイン。褐色の髪と淡緑色の瞳をした16才の美少女。母の死後、伯母のエーレンハルト男爵夫人の手によって、ポツダム郊外の寄宿女学校へ入れられ、エリザベート・フォン・ベルンブルグ先生に愛情を持つ。
エリザベート・フォン・ベルンブルグ先生寄宿女学校の女教師で、美しく優しいので生徒たちの憧れのまとになっている。
校  長 ―― 寄宿女学校の校長。質実剛健なスパルタ教育で生徒を未来の軍国の母に育て上げようとしている。
ラケット舎監 ―― 校長に取り入って、生徒に圧迫を加え、ベルンブルグ先生を目の敵にしている中老の女教師。
エーデルガルト・フォン・クライスト寄宿女学校の生徒でマヌエラの親友。母はフランス人、父はドイツ人の混血で、温和な少女。
アレキサンドラ・フォン・トレスコウ金髪の美少女。ベルンブルグ先生に憧れ、マヌエラに嫉妬して、ラケット舎監に密告をする。
イルゼ・フォン・ウエストハーゲン楽天的で明朗な女生徒。検閲なしの手紙を両親のところへ密送したのがばれて、学校劇のロレンス僧正の役をやめさせられる。
ヘルタ・フォン・ウォルツオゲン ―― ウォルツオゲン中将の娘で、歌が好きな少女。イルゼに代わってロレンス僧正の役で劇に登場する。
マルガ・ラコウ ―― 寄宿舎の室長を勤める聡明な少女。
エヴァンス先生 ― 中性的な感じの英国人の女教師。
オーベル先生 ―― フランス人の女教師。興奮しやすい性質。
ヨ ハ ン ナ ―― 寄宿女学校の女中。生徒たちの味方。
   表 紙 見 返 し 解 説 よ り
 母親に死なれた16才のマヌエラは、ポツダム郊外のミッション・スクールの寄宿舎へ入った。マヌエラの寝室は、全校生徒あこがれの的である、ベルンブルグ先生の受け持ちの部屋だった。日がたつにつれ、彼女も学校の空気に慣れ、仲の良い友だちも何人か出来た。しかし、学業の成績はあまりよくなかった。
 ベルンブルグ先生はマヌエラを自分の室に呼んで、特別に学課を教えたが、結局、彼女の学業不振の原因は、自分の上によせられているあこがれの強さにあることがわかった。そう思えば、教室でふと視線が合ったときなど、マヌエラの目は生き生きとかがやいて、そのひたむきの乙女心をよろこびにふるわせていることがよくわかった。
 校長先生の誕生祝いの日、生徒たちは「ロミオとジュリエット」の芝居をした。主役のロミオになったマヌエラは、終わってパーティの時に、アルコールの入ったポンチを飲みすぎて、すっかり酔っ払ってしまい、ベルンブルグ先生への熱烈な思慕と愛の言葉を大声で叫んでしまった。これが校長先生の耳に入ったから騒ぎは大きくなり、ついに彼女は退校処分を受けることになった。
 しかし、マヌエラに深い愛情をよせていたベルンブルグ先生は、マヌエラをかばって、校長先生と対立し、自らすべての責めを引き受けて、学校を去ることを告げた。
 マヌエラはあたりがまっ暗になったような気がした。彼女は自殺を決意して…………


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