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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ44
書 名:おはよう、ワレン先生
原 題:Separate Star
著 者:ローラ・アードマン
訳 者:田村隆一
初 版:S33.04.30
備 考:
 教育大学を卒業したゲイル・ワレン嬢は、人口がたった1014人の田舎の町の小学校の先生になった。
 古ぼけた校舎は、雨が降るとたいへんで、壁は世界地図のようなシミだらけ、その上生徒たちは腕白ぞろいだし、同僚の先生はみな無気力。生徒たちの親にいたっては教育などということについて考えたこともないらしい。
 若くて理想に燃えているワレン先生は精いっぱいの努力をする。しかし、先生一年生のかなしさ、周りの人にはソッポを向かれるし、さまざまの失敗をする………
    主 要 人 物
ゲイル・ワレン ――― 教育の理想に燃える若き女教師、この物語のヒロイン。ハートレイ師範学校を優秀な成績で卒業後みずから選んでクレイトンという人口千余の田舎町の小学校へ奉職する。
コニイ・サーマン ―― ゲイル・ワレンの学友で良き相談相手。
ハリエット・ウィンバレイワレンが尊敬する叔母さん。教育界の大先輩として声望の高い教育家。
モ リ ス ――――― クレイトン校校長。健康がすぐれない。
ジニィ・クレイグ ―― 明るくさっぱりした性格の女教師。ワレンの良き同僚。
キャリィ・マクレイノルズ5、6級担任の女教師。オールド・ミス
デイヴィット・パターソン野心家の好青年で、クレイトン校の教頭。
バッド・カーヴァー ―― 酔っ払いの炭坑夫の子供。
リジイ・ソーン ─――― 貧乏にめげず勉強好きな女生徒。双子の弟がある。
    表 紙 見 返 し 紹 介 文 よ り
 ゲイル・ワレン先生は新米も新米、学校出たてのまるでお嬢さんのような先生です。小柄で、がんばり屋で、はちきれるような若さにみちた彼女は、わざと都会の有名校の教職をことわり、クレイトンという人口わずか1014人の田舎町の小学校の教壇に立つ事にきめました。
 彼女には高名な女流教育家で、またすばらしいベスト・ドレッサーとしても人気のあるハリエット夫人という叔母さんがあり、その叔母の顔で自分の希望する学校へ有利な条件で行くことはわけはなかったのです。仲良しのコニーはじめクラスメートたちもそれを信じて疑いませんでしたが、独立自尊の気概にもえる彼女は自分の選んだ人生は自分一個の力で切り開いてみようと決心し、この辺鄙な田舎町の学校を選んだのでした。
 ところが、クレイトン校というのは設備は貧弱でまったくお話にならないオンボロ校舎で、手に負えない腕白少年や貧乏なためいじけた少女の教育には、若さと情熱で体当たりの新米ワレン先生もほとほと手を焼き、そのうえ詮索好きでおせっかいなくせに教育には不熱心な村の人たちの頑迷さの前には、さすがのがんばり屋の彼女も嫌気がさしかけてきました。無気力な教師たちの間で理想と現実のちがいに悩むワレン先生をなぐさめ勇気づけてくれたのは、若い教頭のパターソン先生でした。彼はすらりと背が高く、色の浅黒い好青年で、なかなかの野心家でした。それからある日のこと………

 これは教育に生きがいと青春のよろこびをみいだそうとする、ある一人の若い女教師の物語です。いままでの高校小説と違って教師を主人公にした新しいタイプのスクール・ストーリーとしてアメリカですばらしい人気を呼んだ小説です。


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