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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ38
書 名:十七才のルーシイ
原 題:Oasis for Lucy
著 者:アレクサンダー・L・ジョンソン
訳 者:田中小実昌
初 版:S33.02.15
備 考:翻訳権所有
ほんのチョットした虚栄心からとんでもないウソをついてしまった経験はありませんか?
 田舎からニューイングランドのハイカラな学校に入学したルーシイはクラスメートに「あたしの家は、とっても大きくて、それはそれは広い牧場があるのよ」といって、いつもみんなをうらやましがらせていました。しかし、夏休みに1年ぶりで家に帰ると、人々の言葉も、生活もみんな田舎くさくて、久し振りのボーイフレンドのゲーリーさえ前ほどの親しみがわきません。 ところがある日、線路の傍らで負傷して人事不省の青年を発見して家に連れて行き、手厚い看護をします。
 ジョーというその青年はハンサムで、言葉も上品なインテリです。ルーシイは食事の世話をしたり、本を読んでやったり、楽しい看護の毎日を送るのですが、ある朝、学校で一番仲良しのモリイが遊びに来るという電報がきます。 さあ大変、モリイが来たらルーシイのウソはバレてしまうではありませんか………。
    主 要 人 物
ミスター・カルバート(お父さん) ― ニュー・メキシコにあるカルバート牧場の主。
ミセズ・カルバート(お母さん) ―― その妻。
ルーシイ ――― 祖父の遺言で東部(ニュー・イングランド)の女子寄宿学校にいっているそのひとり娘、17才。本篇の主人公。
ジミイ・トンキン ―― カルバート牧場の牧夫頭。
ジェリイ ――― その息子、18才。ルーシイの小さい時からの仲良しの男の子。
サ  ラ ――― その妹。
モリイ・シアーズ ―― ルーシイの級友、お金持ちのお嬢さん。夏休みにルーシイの牧場を訪ねる。
ジ ョ ー ――― ルーシイが帰省した日、砂漠の真ん中にたおれていたところをルーシイたちに救い出された青年。ルンペンと称して、身の上を語らないが、ハンサムな顔立ちにルーシイは心をひかれる。
ドクター・ステュワート ― 親切な医師。
   カ バ ー 折 り 返 し 解 説 よ り
 アメリカ東部のブルジョワのお嬢さんばかり集まる寄宿女学校から、1年ぶりに故郷のニュー・メキシコ州にあるカルバート牧場へ戻ってきた少女ルーシイは、幼ななじみのボーイフレンドのジュリイたちと一緒に愛馬ブラック・エンジェルで遠乗りに出かけたとき、砂漠の真ん中でけがをして気を失っている一人の青年をみつけて、馬にのせて家に連れて帰りました。
 意識を回復した青年はジョーという名で、貨車にタダ乗りをしていて振り落とされたルンペンだと言うだけで、なぜかそれ以上身の上について語ろうとしません。ハンサムな顔立ち、洗練された言葉づかいのこの青年にルーシイが好意をよせ、心からの看病をしているのを見て、ジェリイの心中おだやかではありません。そうでなくとも東部の都会風の教育をうけてからのルーシイは、ことごとに彼を田舎者あつかいして、すっかりつむじをまげていた矢先へ思いがけないこのライバルの出現です。
 ところが一方、ルーシイにとってたいへん困ったことが起きました。学校の一番仲良しのクラスメートのモリイが、牧場見物にやってくるというのです………。

 『十七才の夏』を出版したアメリカのドッド・ミード社では、世界的な名作として圧倒的な人気を呼んでいる『十七才の夏』を記念してSeventeenth Summer(十七才の夏)賞というのを作り、ティーンエージャーに一番人気があった作品にその賞を授賞していますが、この『十七才のルーシイ』はSeventeenth Summer賞を授賞されたベストセラーです。


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