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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ35

書 名:ロマンス留学
原 題:Passport to Romance
著 者:ベティ・カヴァナ
訳 者:永井比奈子
初 版:S32.12.15
備 考: 
 主人公ジョディはアメリカ娘です。兄のようなお父さんと二人でニューヨークに住んで高校に通っていましたが、広く世界を見せようというお父さんの考えから1年間スイスの女学校に留学することになりました。
 スイスの女学校、それはアルプスの中腹レマン湖畔にあるお城のような学校でした。そしてここにはタイ国王女を始め世界各国から80人の中の少女達が留学しています。

 『ロマンス留学』は全篇14章からなり、各章の終わりごとに主人公のジョディがニューヨークの父にあてた手紙がつけられていますが、この物語はじっさいにスイスに留学したアメリカの一少女の手紙をもとにして書かれたものだということです。この14通の手紙はじつに生き生きとデリケートな少女の心理と生活感情をうつしだしており、読んでいるうちにおもわず微笑をさそい、あるいは目頭をあつくさせられます。手紙だけを飛び飛びにずっと読んでいってもおもしろいでしょう。クリスマスの前にはホームシックにかかって泣きながらパパに手紙を書いたジョディが、雪が降り、ハンサムなスキー教師にスキーを習ってその魅力にとりつかれると、手のひらをかえすようにケロリとして、何週間も手紙を出すのを忘れるところなど、読者の微笑をさそわずにはいないでしょう。それから、この物語の舞台になっているのは、スイス西部のレマン湖(ジュネーブ湖ともいいます)周辺の地方で、ローザンヌ、ヴヴェー、モントルー、ジュネーブ等はレマン湖畔にある世界的に有名な保養地や観光都市です。ロシェ寄宿学校のあるサン・レジェは、ヴヴェーの町の東北の少し山をあがったところにあります。ジョディがボーイフレンドのティモシーと再会する、バイロンの詩で有名なシヨン城は、モントルーの町外れにあり、四季スイスをおとずれる世界の観光客の必ず一度は足をはこぶ、レマン湖畔随一の名所です。かんたんな地図を添えておきましたから、この物語の地理的背景を頭にえがきながらお読み下さるといっそう興味深いかと思います。
    主 要 人 物
ジョディ・スコット ―― この小説のヒロイン。今年15才で背が高く明るい純真な性格の少女。理解に富んだ兄のようなお父さんと二人でニューヨークに住み、高校に通っている。
ティモシー・ライル ―― 画家の両親に連れられて世界旅行をしている。ジョディとはニューヨークからスイスに向かう船の中で知り合った。
メアリ・ルウ ――― アメリカ南部生まれ。なかなかのオマセでグラマーガール的魅力がある。
マダム・レベック ―― スイスの女学校の校長先生。男のようにうすいヒゲがあり、とてもうるさくてやかましい先生。
ビミ・スカダ ――― タイ国の王女。18才ですが小柄で人形のように可愛くてみんなの好奇心的。革命ノイローゼになって、すべての人をこわがって誰とも口をきかないのだが……。
ヘルガ・コスマン ―― オランダの少女。頭がよくて、読書家で、アメリカぎらい。徹底的にアメリカ人のことをこきおろすのだが、いう事に一理ある。


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