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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ32
書 名:ベッシイは高校三年生
原 題:Betsy was a Junior
著 者:モード・ラブレイス
訳 者:恩地三保子
初 版:S32.10.30
備 考:本邦初訳・翻訳権所有
 休みも今日で最後だという日、ベッシィはたった一人で湖にボートをうかべていました。「新学期こそは……」こぐのをやめてぼんやり考えていた彼女は、手帳をとりあげ、エンピツをなめなめ新学期からの決意を書き始めました。「一つ、もうじき大学に行ってしまうお姉さんに代わって家の手伝をすること、一つ、ピアノの練習をはじめること、一つ、クラスの委員に選ばれて、今年こそ論文のコンテストでカップをとりもどすこと、四年生送別会で活躍すること、そしてボーイフレンドに関しては、……ジョーと仲良しになること」
 三年生になったベッシィは今年こそは、と思って学校に行ったのですが、何もかも失敗の連続です。新学期の最初の日にジョーが他の少女と車に乗っているのをみてがっかりします。ラテン語の時間にはこっそり友達のテイシイに渡したレターが先生にみつかり、その中に先生の悪口がチョッピリ書いてあったので校長先生に呼び出されたりします。そして折角いいプランをもっているのに送別委員会の委員の選挙にも落ちてしまいました。しかしベッシィにとってたった一つの収穫は送別会の夜のパーティでした。それは……
    主 要 人 物
ベッシイ・レイ ――― レイ家の次女。主人公。人に愛される明るい少女。作家志望。
ジュリア・レイ ――― ベッシイの姉。オペラ歌手志望。スミレ色の瞳の美少女。州立大学1年生。ベッシイの良き助言者。
マーガレット・レイ ― ベッシイの妹。本と犬と猫が好きな人嫌いな小学生。姉たちに「ペルシャの姫君」と呼ばれているる。
テイシイ・ケリイ ―― ベッシイの五つの時からの友達。はにかみ屋でお茶目で、すばらしいソプラノ。アイルランド系の美人。
ティブ・ミュラー ─― ドイツ系の小柄な少女。この年、またディープ・ヴァレイに戻って、ベッシイたちのクラスに入る。「物語のお姫さま」のようでいながら、家庭的で、非常に頭のいい少女。
カーネイ・シブレイ ─ 銀行家の娘。男の子にも女の子にも人気のある4年生。聡明な美しい少女。
ウィノナ・ルート ─― 新聞社長の娘。ハツラツとしたいたずらっ子。
ディブ・ハント ─―― フットボールのスター。男性的な、口数のすくない男の子。ベッシイのエスコート。
トニイ・マークハム ─ クラスの異端児。3年になってから多少不良がかってきす、ベッシイを心配させる。歌とダンスがずばぬけて上手。
ジョオ・ウィラード ─ 学校一の秀才。自活している孤児。珍らしい美貌。ベッシイは1年のときからあこがれているが、なかなかその望みは実現しない。
裏 表 紙 解 説 よ り
 「ベッシイ・テイシイ高校シリーズ」の主人公、われらのベッシイ・レイも16才になりました。この秋の新学期からディープ・ヴァレイ高校の3年生になるという夏をささやく湖≠フ美しい湖畔で、両親や仲良しグループと楽しく過しながら、新しい学年をいかに有意義たらしめるべきかと、いろいろな計画を立てかたい決意に胸をもやします。
 ところが、幕をあけてみると、ベッシイの高校3年という年は、思い掛けない事件と番狂わせの連続で、にがい経験をなめさせられることになったのです。その原因の大半はベッシイ自身が作ったようなものだったのです。
 うれしいことは、親友のティブ・ミュラー一家が久し振りにミルウォーキーから、ディープ・ヴァレイへ帰ってきたことです。陽気でおてんばのティブはベッシイのいい相棒となって、ジュリア姉さんが大学で知った「ソロリティ」(姉妹会)という排他的でそしてベッシイたちにとってはすばらしい高尚な社交クラブにあこがれたあげく、ついに「オクト・デルタ」(8匹の小鬼)という奇妙なギリシャ名の会を結成しました。ところがこの会がベッシイの理想とは反対に、万事をアンラッキーにはこぶ運命を招くことになりました。………
 アメリカの十代の人気作家モード・ラブレイス女史の「ベッシィ高校シリーズ」は、学年別に「高校一年生」「高校二年生」「高校三年生」「高校卒業期」4冊からなり、本書で全巻の飜訳が完成しました。


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