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表 紙 | 説 明 | |
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秋元書房ジュニアシリーズ24 |
前号紹介写真 あれ、絵が逆だぞ!? |
書 名:クラス・リング 原 題:Class Ring 著 者:ロサモンド・デュ・ジャーディン 訳 者:大久保康雄 初 版:S32.06.15 備 考:本邦初訳、翻訳権所有 |
みなさんは、クラス・リングというのを御存知ですか? アメリカの高校では校章の代わりに、指輪をはめています。それには各自の卒業年度とイニシアルが彫ってあるのです。 そのクラス・リングを男生徒と女生徒が交換することがあります。それはゴーイング・ステディという意味なのです。 つまり二人だけでデイトしましょうという約束のしるしなのです。 本書はクラス・リングをめぐる高校小説の傑作です。 | ||
主 要 人 物 トベイ・ヘイドン ― この物語の主人公で、17才になるエッジウッド高校生。ヘイドン家の4人姉妹の3番目の娘で、ウィットとユーモアに富む。ブローズからクラス・リングをもらって夢中になる。 父 ――― 水道工事部品のセールスマン。ユーモアを解する、やさしい父親。 母 ――― トベイ家のよき主婦であり、トベイたちには、ものわかりのいいママである。 ジャネット ― トベイの長姉。土木技師と結婚している。 アリシャ ─― トベイの次姉。町一番のデパートを経営している実業家の息子アダム・ウェントウォースと、さいきん結婚したばかりである。 ミッジ ─―― トベイのおしゃまな妹。 ジュディ・アレン ─ ミッジの仲良しの遊び友達。 ブローズ ─― トベイのボーイ・フレンド。頭文字入りのクラス・リングをトベイにあたえて将来を誓う。 ディック・アレン ─ ジュディの兄で、セントラル大学へ行っているハンサムな青年。 バービー・ウォルターズ ─ トベイの親友。女子高生。 キム・フェアバンクス ── 高校フットボール・チームの選手で、頭がよく、演劇クラブの委員長もやっている才子肌の少年。 |
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写真は原作者から送られたもの ジャーディン女史(中央)と18才の末娘ジュディーと愛犬ラーナ 裏表紙 解説より 高校2年生で17才のトベイ・ヘイドンは、ボーイ・フレンドのブローズからクラス・リングをもらい、寝る間もそれを指からはなしたことがない。クラス・リングは、もちろん婚約の指輪ではない。もっとも親しい友情のしるしであり、いうならばまだ恋をしらぬ若い人たちの淡い恋ごころの象徴といっていいかもしれない。ともかく、クラス・リングを交換すれば、その二人はいわゆるゴーイング・ステディ(きまったデイトの相手)することになり、パーティのときでもダンスのときでも、その人以外の相手を選んではいけないことになるのである。 そのトベイの前に、とつぜんディックという大学生があらわれ、大学のダンス・パーティに招待する。地方の田舎町の女子高校生にとって、大学のパーティというのは、あこがれの的であり、それに招待されるということは、誘惑的な行事なのである。トベイも、心の隅でブローズに悪いと思いながらも、この誘惑に抗しきれず、父にねだってつくってもらった豪奢なドレスを着て出かける。そして、これをきっかけにして、トベイとディックの友情は急速に深くなってゆく。 しかし、ディックだけなら、まだいい。ブローズにとってがまんができないのは、おなじ高校で演劇部の委員長をやっているキムという男の生徒が、最近演劇の稽古という口実でトベイに近づいてきたことである。耐えられなくなったブローズは、とうとうトベイに絶交を宣言し、クラス・リングをとりかえしてしまう。あれほど仲のよかった二人が、学校で顔を合わせても口もきかなくなってしまった………。 感情の振幅のはげしい動揺しがちな少女期の心理が、この作者独特のきびきびした筆致で心にくいほど巧みに描かれており、前作「十七才のデイト」をしのぐ傑作というべきであろう。 |