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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ10
書 名:秘密の階段    原題:The Hidden Staircase
著 者:カロリン・キーン   訳:田中西二郎
初 版:S31.09.15
備 考:本邦初訳
     AKIMOTO JUNIOR MYSTERY STORIES
 百年前に建てられた古くさびれた大きな屋敷に住むターンブル家の双子の老嬢は、最近夜な夜な気味の悪い出来事に悩まされていた。壁にうつる人影、ピアノをかき鳴らす音、姉妹はすっかりこの幽霊屋敷におびえて、ナンシーに相談を持ちこんできた。
少女探偵ナンシーの活躍と、幽霊屋敷の不気味さに、思わず手に汗を握る場面の連続です。

 『秘密の階段』は、クリフウッドという町でお屋敷≠ニよばれている古いさびれた館に住む双子の老嬢(俗にいうオールド・ミスのこと、この日本語はぴったりですね)の姉妹が、夜な夜な不気味な出来事に悩まされますが、ナンシーは大胆にも単身この幽霊屋敷に住み込み、迷宮入りかと危ぶまれた難事件解決のためにハダに粟をなす(とりはだが立つさま)スリルと冒険を体験します。そしてついに、犯人逮捕のカギともいうべき地下道へ通ずる「秘密の階段」を発見するのです。
    主 要 人 物
ナンシー・ドルー ―― アメリカ中西部の都市リヴァー・ハイツに、父親と二人で住んでいる、青い目、金髪のかわいい少女。本篇の主人公。貧しい老婆と寄る辺のない姉妹の遺産事件の謎(『古時計の秘密』事件)をといて、一躍有名になり、自分もミステリーの魅力にとりつかれている少女探偵。
カーソン・ドルー ―― ナンシーの父親。地方検事をつとめたこともあるリヴァー・ハイツの名士で、敏腕な弁護士。一人娘のナンシーを眼に入れても痛くないほど、かわいがっている。
ネーザン・ゴンベット ― クリフウッド市の町はずれに住む、えたいの知れない老人。強欲で、人をうらむと何をするかわからない危険人物だという評判があり、鉄道に買収された土地のことで、カーソン・ドルーをうらんでいる。
アリー・ホーナー ─― 妹のグレイスとともに、『古時計の秘密』事件でナンシーに助けられ、リヴァー・ロードで農場をいとなんでいる。
アビゲイル・ロウエン ― 同じく『古時計の秘密』でナンシーに助けられた孤独な老婆。
ローズメリー・ターンバル
フロレッタ・ターンバル ― クリフウッドのお屋敷≠ニ呼ばれる古い石造の家に二人きりで住んでいる双生児の姉妹。ふたりとも未婚で50歳以上になる老婆で、アメリカ独立戦争以前からつづいているこの地方の名家の末孫。古屋敷のあやしい事件について、ナンシー・ドルーに助けを求める。
裏表紙 解説より
最近のアメリカのティーン・エージャーの読書傾向の中でいちぢるしい特色は『少女レベッカ』『ナンシー姉さん』『十七才の夏』『ベッシイの高校卒業期』などの少女小説とならんで、「ジュニア・ミステリー」とよばれる推理探偵小説が大変な人気をもって読まれていることです。探偵小説は「知的遊戯」だといわれていますが、少年少女を主人公にした「ジュニア・ミステリー」が、若い人から歓迎されている理由は、このカロリン・キーンの傑作『秘密の階段』を読まれた方にはたちまち納得がいくにちがいありませんが、つまり、少女小説としてのおもしろさに加えて、「謎解き」の魅力が、「頭脳のリクリエーション」をもとめる現代のティーン・エージャーの要求にピッタリとくるからだと言えるでしょう。
 「ジュニア・ミステリー」の中でもっとも評判の高いのがここに紹介されるカロリン・キーンの『秘密の階段』です。本書はさきに小社(秋元書房)が刊行した『楽譜の秘密』と同じく、すらりとした美しい金髪の少女ナンシーを主人公にした「ナンシー・ドルー・ミステリー」というシリーズの中で傑作といわれている作品です。
ナンシーは有名な弁護士の愛娘で、探偵が生れつき大好きです。少女独特のカンと勇敢な行動で難事件を解決して、父カーソン弁護士も顔負けするほどです。
 本書は秋元書房からわが国ではじめて翻訳出版される「ナンシー・ドルー・ミステリー」の第2話です。


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