一覧へ戻る |
表 紙 | 説 明 |
---|---|
秋元書房ジュニアシリーズ 8 |
書 名:楽譜の秘密 原題:The Secret in the Old Attic 著 者:カロリン・キーン 訳:大久保康雄 初 版:S31.07.30 備 考:本邦初訳 AKIMOTO JUNIOR MYSTERY STORIES |
本書は日本で始めて飜訳され紹介された、ティン・エージャーのミステリ。 若くして死んだ天才作曲家がその生涯に未発表の楽譜を古い屋根裏の密室にかくしましたが、つぎつぎと楽譜は盗まれ、奇怪な人物の名前で発表されていきます。人のいない屋根裏から起るかすかな足音、不気味な骸骨の標本の秘密、手に汗を握る数々の事件を少女探偵ナンシーは果して解決できるでしょうか? 本文の一部 ── ナンシーは、大釜をのぞきこんだ。(証拠があった)と彼女は心の中で叫んだ。とつぜん、どこからか、別の嗅気ははげしくなり、涙が流れはじめた。(毒ガスが洩れている)(外に出なければならない)彼女は急いで出入口に向かった。扉には錠がおりていた。 | |
主 要 人 物 カーソン・ドルー ―― 相次ぐ難事件を見事に解決してその明析な頭脳と敏腕ぶりをうたわれる名弁護士。 ナンシー・ドルー ―― その一人娘。すらりとした青い眼の美しい少女。本篇の主人公。少女探偵としてドルー弁護士のよき協力者で、少女独特のカンと機敏な行動によって大人顔まけの活躍をする。 フィリップ・マーチ ― かつてリヴァー・ハイツの豪家だったマーチ家の主人。退役の老軍人で戦死した一人息子フィップの遺児スーザンと二人で細々と暮している。 ベス・マーヴィン ─― ナンシーの女友達。 ジョージ・フェイン ─ ナンシーの女友達。 ネッド・ニッカーソン ─ エマーソン・カレッジの学生。ナンシーのボーイフレンド。 ホレス・ラリー ──― エマーソン・カレッジの学生。美男で自信家。 ダイト ──― ダイト人絹(レーヨンのこと)工場の経営者。 ディアン・ダイト ── その娘。 ブッシー・トロット ― ダイト人絹工場に勤める謎の人物。 ブーカー ―― ブーカー人絹工場の経営者。 |
|
裏表紙 解説より 『楽譜の秘密』は、欧米ではいまさら紹介されるまでもないほど有名なナンシー・ドルー・ミステリー・ストーリーズ≠フなかでもっとも面白い作品といわれています。 有名な刑事弁護士の愛娘で、探偵が大好きな、すらりとした碧い眼の少女ナンシーを主人公にしたこのシリーズは、現在(昭和31年現在)までに30冊近く書かれています。発表されるごとにベスト・セラーになるという不思議な人気を欧米のティーン・エージャーの間で持ちつづけていますが、わ我が国に紹介されるのはこの『楽譜の秘密』がはじめてです。一度読みはじめたらきっと日本のティーン・エージャーのみなさんもナンシー・ミステリー≠フファンになってしまうでしょう。 ナンシーはまだエマーソン・カレッジの学生ですが、少女独特のするどいカンと名析な推理、大人顔負けの大胆で勇敢な行動によって、数々の難事件を見事に解決しており、父のカーソン弁護士のよき相談相手であり協力者なのです。夏休みや冬休みはこの美しい少女探偵が思う存分活躍出来る絶好のチャンスです。ナンシーは仲よしの友だちやボーイ・フレンドの応援をうけて、カーソン弁護士の事務所へ持ちこまれる難事件解決をみずから買ってでます。『楽譜の秘密』は、古い屋根裏部屋に秘蔵していた天才作曲家の楽譜の不可解なひょうせつ(剽窃)事件と、婦人用手袋生地製造法の秘密をめぐる盗難事件にナンシーが手に汗にぎる大活躍をします。 作者はカロリーン・キーンというアメリカの女流作家でナンシーもの≠フほかにダナ姉妹もの≠フシリーズもたくさん書いており、少年少女の人気作家です。 |