一覧へ戻る
表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ 7
書 名:栗毛のパレアナ
原 題:Pollyanna
著 者:エレナ・ポーター  訳:村岡花子・村岡みどり
初 版: 
備 考:本邦初訳 初めての全訳版
世界中のティーン・エージャーから嵐のような反響をよんだ愛と涙と友情の物語!
 パレアナは両親に早く死に別れ、身よりのない孤児ですが、がんこなおばさんの家で養われながら、少しも不幸にめげず、天真らんまんに生きて行きます。
 みなさんもパレアナといっしょに、笑ったり泣いたりしながら、生きるよろこびと幸福への道を、この物語の中からつかみとられることでしょう。
訳者のことば――ずいぶん長いあいだかかって訳し終えました。初めから終りまで残るところのない全訳という仕事は中々骨の折れるものです。高校生、中学生の読者たちには数年の後にはぜひこの物語を原書によって愉しんでいただきたいと願っておりますゆえに、その日のためにこの翻訳がよい手引となりますようにと考えながら、一語一句をおろそかにしない態度でこれにあたりました。
パレアナ ─── みなし子の少女。髪の毛は栗色、顔にはソバカスがあるけれど、心は天使のように明るくやさしくて、父のジョン・フィテヤ牧師から教えられた「喜びの遊び」をして、どんな不幸にも負けず、みんなを幸福にみちびく。
ミス・パレー ── パレアナの叔母さん。孤独で気むずかしい40近い老嬢。11才でみなし子になったパレアナを引き取る。
ナンシー ─── パレー叔母さんの家(ハリントン家)の女中。パレアナと仲良しになる。
ト ム 爺 ─── パレー叔母さんの家に永年つとめる忠実な庭男。
ティモシー ── トム爺さんの息子。気だてのいい若者
スノー夫人 ── 貧乏で長わずらいしている婦人。とてもわがままな性質だが、ミス・パレーたちが援助している。
ジョン・ペンデルトン ─ ペンデルトン丘の大きな家にただ一人住む偏屈な男。町で一番の金持ち。
チルトン先生 ─ 思いやりのあるお医者さん。のちにパレー叔母さんと結婚する。
ジミイ・ビーン ─ 孤児院から逃げ出した、金髪の元気な少年。
  裏 表 紙 解 説 よ り
 栗色の髪の毛、顔にはソバカスがあるけれど、心は天使のように明るくやさしい少女 ── パレアナを主人公にしたこの物語は、グラッド・ブック(よろこびの本)と呼ばれて、全世界の家庭で今もなお愛読され続けている名作です。作者は、『花ひらくビリー』や『ビリーの決心』などですでにわが国の読者もなじみ深いエレナ・ポーター女史です。ポーター女史は、2冊のパレアナ物語を書きましたが、この『栗毛のパレアナ』は、最初の“Pollyanna”を全訳したもので、村岡花子先生が何年もかかってついに完成された名訳です。
 『栗毛のパレアナ』がはじめて発表されたとき、アメリカのあらゆる家庭では、この物語を熱狂してむさぼるように読み、人々に新しい勇気と希望を与えました。各地で「パレアナ・クラブ」というのが組織されて、愛読者は、「よろこび」のバッジを胸につけて歩くというほどになりました。なぜ、パレアナはこれほど人気をよんだのでしょうか? それは、この物語が、私たちに、人生の幸福とは何か、どうしたら幸福になれるか、ということを教えてくれるからです。この物語は、他の小説と違って、読んで楽しくおもしろいだけでなく、わたしたちがどんなに毎日を暮らしたらよいかを考えさせ、教えてくれます。
 パレアナは両親に早く死に別れ、身寄りのない孤児ですが、がんこなおばさんの家や、陰気な金持ちの夫人の家で養われながら、少しも不幸にめげず、天真爛漫に生きて行き、そして天使のように貧しい人や、淋しい人々を、幸福の園へ導いて行くのです。みなさんも、パレアナと一緒に、笑ったり泣いたりしながら、知らずしらずのうちに、生きるよろこびと幸福への道をこの物語の中から掴み取られるにちがいありません。
  文庫版『少女パレアナ』(栗毛のパレアナ)の訳者解説より
『少女パレアナ』は最初ニューヨークのある週刊誌に連載されました。それについてはおもしろい挿話がのこっています。
 その週刊誌の編集長の机の上に、ある日、一編の長編がのっていました。その作者が持って来たのですが、編集長はそんな無名の女性の作品には大した関心は払いませんでした。「そこへ置いていってください」と、言ったきり、そのまま忘れてしまったのです。数週間ののち、ふっと、編集長は机の上の原稿をとりあげてひろい読みしましたが、とたんに、「ああ、あの田舎の女のひと、あのひとの所がきは控えてあるだろう。すぐ、あの婦人を呼んでくれ」とさけびました。
 そして、『少女パレアナ』はクリスチャン・ヘラルドに毎週連載され、続いて単行本として出版されました。
「あなたはパレアナをお読みになりましたか。あの喜びの本……?」山小屋でも、都会のまんなかでも、喫茶店でも、教室でも、温泉宿でも、百貨店でも、いたる所で、喜びの遊びをする『少女パレアナ』は話題の中心でした。いつでも喜ぶということは、決して単なる「お人よし」でできることではなく、強い意志と努力が必要だということが、読む人の心に深く彫りつけられるのでした。喫茶店にもホテルにも商店にも、あらゆるものに『パレアナ』という名がつけられました。
ボストンのトランスクリプト新聞はつぎのように書いています。
「ベルデングスビルの小さな町を、喜びの遊びで明るくした『少女パレアナ』は、やがて成長してその活動範囲をボストンにまで及ぼした」と。
また、ニューヨーク・リパブリック紙は、
「ポーター夫人のペンは、強い希望と美しい感情をたたえ、社会のあらゆる階層の人々の人々の心を打つ」と激賞しています。
 ウェブスター辞典には「パレアナ」という普通名詞が出ており、「エレナ・ポーターという作家の有名な作品『パレアナ』から作られた名詞で、喜びを意味する」と書いてあります。また、「パレアナイズム」、「パレアナーイッシ」ということばが出ており、いずれも「楽観主義」とか「喜悦」とかいう意味の註がついています。
 ポーター夫人は新しいことばを辞典に加えた、とある有名な批評家が言っていますが、まことにそのとおりです。ポーター夫人は1920年に57歳で死にましたが、その年には『シスター・スウ』を書いております。
 その後、彼女の短編集が出版されましたが、「パレアナ・ブックス」ほどの声価は得ませんでした。パレアナの物語は二人のアメリカの女流作家に書きつがれています。そのうちの数冊を読みましたが、ポーター夫人の2冊にはとても及びません。
角 川 文 庫 版  赤 2 1 2
少女パレアナ
(栗毛のパレアナ)
パレアナの青春
39版
32版
改版6版
シスター・スウ
32版


このページは GeoCitiesです 無料ホームページをどうぞ