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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ 5
書 名:花ひらくビリー    原題:Miss Billy
著 者:エレナ・ポーター    訳:大久保康雄
初 版:S31.04.30
備 考:本邦初訳
明るいユーモアとセンチメントに溢れた春物語
 カールした豊かな金髪、大きな黒い瞳、ピンクの頬、まるまるした顎、3月の桃の花のような、明朗な男名の少女ビリーは、ただ一人の肉親の叔母に死なれ、亡き父の親友を頼って、ボストンの旧家に身を寄せます。男の子の名前であるために、とんちんかんな行きちがいとユーモラスな事件が起るところからこのロマンチックな物語ははじまります。
 作者ポーター女史のキビキビした、スピードのある快適な筆致は息もつかせぬ面白さで、読者を物語の世界へ誘いこみます。1911年発表されるや、アメリカの若い人たちのあいだで熱狂的に迎えられ、この歓迎にはげまされて、女史は、翌12年その続篇『ビリーの決心』つづいて14年に、その完結篇『ビリーの結婚』を書きました。このビリーもの≠ヘ、わが国でここにはじめて翻訳紹介される名作ですが、ポーター女史の作家的地位を決定した出世作であり、代表作となっています。
    主 要 人 物
ビリー・ネイルスン ―― 亡父の親友の名前にちなんで、ビリーという男名前を持つ孤児の少女。黒い瞳とピンクの頬をしたチャーミングな少女で、この物語の主人公。
ジェームス・ハーディング ― 老人の弁護士。ビリーの財産管理人。
ウィリアム・ヘンショー ― ビリーの父の若い頃の親友。ヘンショー家の長男で、変った収集癖があるが、やさしい心情の持主、孤児になったビリーを引きとる。
ケート・ハートウェル夫人 ― ウィリアムの妹でハートウェル氏の夫人。
シリル・ヘンショー ─― ウィリアムの次の弟。作曲に熱中している芸術家肌の青年。
バートラム・ヘンショー ─ ウィリアムの末弟。絵の勉強をしている明朗な青年。
ピート ─―─― 50年来ヘンショー家に仕える老召使。
ハンナ・ステットソン ─― ウィリアムたちからハンナおばさんと親しまれている、温和でものわかりのいい老婦人。ビリー嬢の附添婦人としてヘンショー家に招かれる。
ヒュー・コールダウェル ― バートラムの友人。金持の青年紳士。
マリー・ホオソーン ─―― 孤児の少女として苦労しながら育った、小柄な音楽の先生。
 エレナ・ポーター女史は、1868年、アメリカのニューハンプシャーのリトルトンという都市で生れました。お母さんが病身だったせいか、彼女も少女時代は健康がすぐれませんでしたが、小さい頃から、読むことや書くことは好きで、療養生活をしていた十代の時分には、さかんに読書し、詩や感想のたぐいで幾冊かのノートを埋めたということです。
 小説を書きはじめたのは、40才ごろからですが、それから後は少年少女のために美しい作品をたくさん書き続けました。この『花ひらくビリー』とその続篇よりなる三部作は『よろこびの本』という名前で世界中に親しまれているポーター女史の傑作『栗毛のパレアナ』『パレアナの青春』と共に、エレナ・ポーターの名を、不朽のものにしたといっていいでしょう。
角 川 文 庫 版  赤 2 1 2
少女パレアナ
(栗毛のパレアナ)
パレアナの青春
39版
32版
改版6版


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