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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ 3
初  版
秋元書房ジュニアシリーズ 3
S32.12.10版
書 名:レベッカの青春
原題:New Chronicles of Rebecca
著 者:ケート・ウィギン
訳 者:大久保康雄
初 版:S31.02.29  再版S32.12.10
備 考:本邦初訳
 たいへんな空想家、情熱家でウィットとユーモアに富んだ美しい黒い瞳の少女レベッカが、十八才の青春期をむかえるまでに体験する数々の事件、涙ぐましい友情、淡い恋ごころ、そして静けさと内省を愛する一人の女性に成長していく少女の心理を、しみじみとした笑いと涙のうちに描いた青春期の名作!

訳者のことば ── 『少女レベッカ』がレベッカのすがたを外側から描いたものとするなら、この小説は内側から描いたものといえるでしょう。しかし、いうまでもなくこの小説は、これだけで独立した物語になっていますから、『少女レベッカ』を読まずに、いきなりこの本を開いても、すこしもさしつかえありません。ここには18才のレベッカが登場しますが、これは16才で終わっている『少女レベッカ』には全然出てこない青春期のレベッカのすがたであり、静けさと内省を愛する一人の女性を、私たちはそこに見ることができます。
    主 要 人 物
レベッカ・ランダル ― この物語の主人公。貧しいサニーブルック農場で大ぜいの姉弟と一緒に育ち、10才のときリヴァボロの伯母の家へひきとられて教育をうける。亡き父の芸術家的素質をついで、機智(ウイット)と文才に富む明朗な少女。
ミランダ ―――――― レベッカの母方の伯母。妹のジェーン(後出のエンマ・ジェーンとは別人)とともに老嬢で、リヴァボロのレンガの家に住み、レベッカを口やかましくしつける。
エンマ・ジェーン ―― レベッカの親友。リヴァボロの裕福な鍛冶屋で有力者パーキンズ氏の娘。
アビジャー・フラッグ ― 治安判事ウィンシップ老旦那の雑用をつとめながら苦学している孤児の少年。エンマ・ジェーンに淡い思慕をよせる。
アブナー・シンプソン ― 馬や農具のインチキな仲買人。盗癖があるので村中からきらわれている。
クララ・ベル ―――― アブナーの先妻の娘。レベッカの友達。
エリシャ ―――――― アブナーの双児の一人でクララ・ベルの異母弟。
アダム・ラッド ─―― レベッカからアラディン氏≠ニ呼ばれている富豪で、美貌の青年。レベッカの才能をみとめ、かげながら援助しつつ、その成長をあたたかく見まもる。
ジェリー・コブ ─―― リヴァボロへ通う駅馬車の馭者。レベッカを夫婦で娘のように可愛がる。
有名なオルコット女史の『若草物語』とともにウィギン女史の『少女レベッカ』は、世界中の少年少女からすばらしい人気をよんでベストセラーになり、映画や舞台でもたいへんな歓迎をうけましたが、この『レベッカの青春』New Chronicles of Rebeccaは、『少女レベッカ』の続篇ともいうべき作品です。
 たいへんな空想家・情熱家で、ウィットとユーモアに富んだ、美しい黒い瞳の少女レベッカが、18才の誕生日を迎えるまでに体験する色々な事件や涙ぐましい友情と淡い恋心を、しみじみとした笑いと涙のうちにえがいたこの物語も、わが国のティーン・エージャーの皆さんからまたまた大歓迎をうけるにちがいないと思います。
 ヒロインのレベッカ・ランダルを「アメリカ文学に現れたもっともすばらしい少女だ」とある批評家は絶讃しましたが、わが国でもレベッカの名は、中学生、高校生のあいだで話題の中心になっています。花ひらく成長期の読みものの貧困が特に感じられているわが国の読書界におくるこのレベッカもの≠ヘ、ティーン・エージャーの読書生活に清新な魅力と人気のセンセーションを吹きこむものと信じます。
 作者のケート・ダクラス・ウィギン女史は、1856年フィラデルフィアに生まれ、生涯少年少女を主題にした美しい作品を書いています。『少女レベッカ』『レベッカの青春』のほかに『ナンシー姉さん』『バード家のクリスマス・キャロル』等が代表的傑作で、女史の作品は、今日世界中で愛読されています。


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