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表 紙 説 明
秋元書房ジュニアシリーズ 1
書 名:少女レベッカ    原題:Rebecca of Sunnybrook Farm
著 者:ケート・ウィギン    訳:大久保康雄
初 版:S30.12.15
備 考:本邦初訳
明るく快活なレベッカが女子大生となるまでの色々な事件や涙ぐましい友情等の美しい物語で映畫や舞台で人気をよんだベストセラー
サンデー毎日評 ── アメリカ南部の、とある貧しい農家に育った少女レベッカが父の死後、オールドミスの母の姉たちの住む「赤いレンガの家」へひき取られていくところからこの物語は始まっている。
 彼女はたいへんな空想家で情熱家だが、色は黒く、「バカでかい黒い瞳」があるだけで、礼儀作法も何も知らない。感受性の豊かな少女の、一見飛躍した行動が老嬢たちに理解できようはずがない。万事トンチンカンな行違いばかりだ。しかし、どんな苦しみも悲しみも萌え出ようとする少女期の生命力をへし折れるものではない。悲しみながら、泣きながら、成長した女性の考えへ移っていく、微妙な少女期の心理を、この小説はまことによくとらえている。
    主 要 人 物
レベッカ・ランダル ― この物語の主人公。貧しいサニーブルック農場で大ぜいの姉弟と一緒に育ち、10才のとき伯母の家へひきとられて教育される。亡き父の芸術家的素質をついで、機智(ウイット)と文才に富む明朗な少女。
オーレリア・ランダル ― レベッカの母。夫の死後、女手一つで農場を経営し、7人の子供たちを養育する。
ミランダ ―― オーレリアの姉で、レベッカの伯母。老嬢。少し意地悪で、口やかましくレベッカをしつける。
ジェーン ─― レベッカの伯母。ミランダと共に暮らしている老嬢。
ジェリー・コブ ─― リヴァボロへ通う駅馬車の馭者。レベッカと仲良しになり、夫婦で娘のように可愛がる。
ミス・ディアボーン ─― リヴァボロの学校の先生。
エンマ・ジェーン ─― レベッカの親友。リヴァボロの裕福な鍛冶屋の娘。
アダム・ラッド ─― レベッカからアラディン氏≠ニ呼ばれている富豪で、美貌の独身青年。レベッカの才能をみとめ、かげながら援助しつつ、その成長をあたたかく見まもる。
ミス・マックスウェル ― ウェアラムの学校の先生。レベッカに大きな感化を与える。
『少女レベッカ』の作者、ケート・ダクラス・ウィギン女史は、1856年フィラデルフィアに生まれました。少年少女を主題にした多くの美しい作品を書き、『若草物語』のオルコット女史と共に、その作品は、アメリカ家庭小説の傑作として、世界中で愛読されています。
『少女レベッカ』“Rebecca of Sunnybrook Farm”は、ウィギン女史のたくさんの小説のなかでも、もつとも有名であり、またもつともすぐれているものです。1903年出版されると、すばらしい人気をよんでベストセラーになり、映画や舞台でもたいへんな歓迎をうけました。文豪マーク・トウェンは、この作品を読んで、《美しい物語》と賞讃し、批評家は、ヒロインのレベッカを《アメリカ文学に現れたもっともすばらしい少女だ》と絶讃しました。たいへんな空想家・情熱家で、機智に富んだ、美しい黒い瞳の少女レベッカが、しみじみとした笑いと涙のうちに演ずるこの物語は、わが国のティーン・エージャーの皆さんから、必ず大歓迎をうけるにちがいないと信じます。カルヴィン・ウィンターという批評家は、ウィギン女史についてこう言っています。「彼女はロマンティストであるが、そのロマンスは、たわいのない夢が織りなすロマンスではなくて、日常生活のホームスパンの糸が織りなすロマンスである……」。女史の作品が若い読者をいつまでもあたたかくとらえて放さないのは、それがホームスパンであるからなのです。


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