表 紙 説 明
書 名:われら劣等生
著 者:赤松光夫   絵:杉山 卓
初 版:S49.07.31
備 考:B6判美装本あり  秋元書房ジュニアシリーズ186
 人の恋愛には口ばしを入れ、コーヒーはただ飲み、インチキガイドでひともうけをたくらむ劣等生の活躍
 どこの高校にも劣等生はいるものですが、ここ、富士高校の劣等生グループ──つまり、夏木二郎・塚田文夫・浦川万助の三人──は、いささかタチが悪いようです。
 たんに成績が悪いばかりでなくどん欲でずうずうしく、その上、おせっかいときています。
 クラスの秀才で美人の桂木奈美さんなどは、最大の被害者です。
 彼らは、お小遣いの欠乏を救うため、外人ガイドのアルバイトを思いつきました。とはいえ、英語はカラッキシ駄目です。しかも、運が悪いことに、お客の第一号はアメリカン・スクールでも札つきの茶目娘の姉妹でした。英語ができないガイドが日本語を話せるアメリカ娘を案内するのですからチンプンカンプンです。
 人の恋愛に口ばしを入れたり、アメリカの劣等生と優劣を競ったり、彼らの高校生活は、人一倍いそがしいようです。
    主 要 人 物
桂木奈美――クラスの秀才で、美人の高校生。その彼女が何の目的からか、毎週土曜日になるとシンデレラ≠ニいう喫茶店に行くという。
夏木二郎――奈美と同じ富士高校に通っている。勉強はともかく、頭の回転と悪知恵は、人一倍働らくという劣等生。
植村 光――東大の3年生。2週間に一度ぐらいの割で、富士山のふところにあるこの町に帰ってくる。
塚田文夫――富士高校3年。ボクシング部に入っているが、見かけほど強くない。
浦川万助――塚田の子分。塚田同様、親のスネをかじっている劣等生。
ベッシーとキャロル――ふたごのアメリカ娘。夏木二郎のためにとんでもない目にあわされる。