表 紙 説 明
秋元文庫ファニーシリーズB14
書 名:友  情
著 者:横島さくら子      絵:赤坂三好
初 版:S49.03.10
備 考:B6判美装本あり  秋元書房ジュニアシリーズ 129
 高校三年の愛読者が書いた長編小説 ここには大人の作家には書けない高校生活が描かれています。
著者は、現在高校三年生。この作品は著者が高等学校に入学した昭和34年4月、十五才の時から書き始め、同年の12月に完成したものです。「友情」は秋元書房の友の会の人によって書かれた初めての小説です。ここには転校してきた一女生徒をめぐっての微妙な男女生徒間の友情が明るく描かれています。

[この本が出るまでのいきさつ(B6判出版のとき)]
昭和35年の夏のある日のことでした。秋元書房にお父さんに連れられた一人の女子高校生が訪ねてきました。おききすると神奈川県聖園(みその)女学院の2年生で17才、秋元書房の愛読者だそうです。横島さくら子さんというその高校生が、風呂敷の中から部厚い原稿用紙をだして「私の書いた小説です」といった時、あっけにとられました。400枚の長篇小説を書くということは作家でも並たいていのことではありません。
 少女作家現わるという期待のもとに編集部でその小説をまわし読みしましたが、まさに期待通りの作品だったのです。そこには現代の高校生活が描きつくされていました。
    B6判で物語の冒頭を紹介
    主 要 人 物
土村暁子 ―― 本篇の主人公、15才で中学3年生。パパは新聞社につとめ、ママは若くて美しい。
小百合 ――― 暁子の妹で12才、小学6年生。お転婆で男の子みたいなところがある。
北川岳二郎 ― 暁子のクラスメート。不良がかっているが、根は純情のさびしがりや。三郎・高島等の悪友がいる。
岡島先生 ―― 理科担当の女の先生、やさしくて理想のタイプである。
砂田先生 ―― 暁子のクラスの担任。
相本詔子 ―― 暁子のクラスメート、クラス委員。
清おばさん ― 岳二郎の父親旬太の妹、48才で独身。
惣  一 ―― 暁子の隣家の高校生、家庭的にめぐまれていない。