表 紙 説 明
YOUNG・シリーズ E68
書 名:ホラーミステリー 百ものがたり
著 者:御影四郎  カバー・さし絵:植木金矢
初 版:S53.08.05
備 考:表記なしのYOUNG・シリーズ
 科学が進歩した現在、昔ほどふしぎなことはなくなってしまったが、我々の先祖たちがあんどんの光の中で語り伝えた話の中には、当時の人々の好奇心と驚きが残っていて、今読んでも面白い話が多い。
 ここに集めた話は、いずれも江戸時代にまとめられた百物語や怪談集からとってある。それらを、百物語で次々に語られた形にした。
 百物語というのは、何人かの人たちが集まって、一人づつ順々に、恐ろしい話やふしぎな話をしてゆくのだ。一つの話が終ると、灯心を一筋引き抜いて消す。一つ、二つ、三つ……恐ろしい話が増えてゆくにつれて、あんどんの光は、次第に暗くなってゆく。
 そして……最後の、百番目の話が終り、たった一本だけかすかにものがなしくまたたいていた灯心が吹き消されたとき……何かあやしいことが起ると、いい伝えられていた。
収 録 話 一 覧
ホラーミステリー「百ものがたり」のはじまり
・蛇の酒・やしろの妖怪・鬼の贈り物・宴会の客
・ねずみの呪い・千々古という化け物・死人が二人になる・死人を食う夢
・大石がたたかった話・ろばにされた旅人・人殺しのむくい・ろくろ首の女
・霞谷の化物・名刀のちから・夢のしらせ・除玄之の家の怪
・馬の骨・夜中に歩く子供・天井の手・月夜に遊ぶ生首
・人面瘡・大亀と桑の木・前世の借り・本行院の猫
・家がほろびるしらせ・将棋倒し・生き返った人を殺す理由・蛇の薬草
・供養塔の血・経文の功力・座敷に出る子供・老女を射た話
・人  鬼・陰摩羅鬼・鰐に見入られた男・逃げ出した陰陽師
・くらやみ坂の怪・頭のはり合い・しらみこぶ・魚になった話
・魚腹の鏡・綿帽子の女・水を汲む女・耳きれうん市
・追ってきた娘・いけにえの女の子・くそだめの婚礼・血まみれ屋敷
・狐のよめ入り・上には上があること
おわりに