表 紙 説 明
YOUNG・シリーズ E22
書 名:女子中・高校生の愛の体験記
編 集:赤松光夫
初 版:S50.09.30
備 考: 
 この本に掲載した13歳から18歳までの「女子中・高校生の愛の体験記」は『月刊平凡』連載愛の青春日誌£j女交際体験記募集に応募した約2000篇のなかから選んだものである。
 交際をはじめたきっかけ、そしてその交際がどように進められたか、全国の女子中・高校生53人の愛の体験がここにある。
 彼女たちの体験記を読んで、あなたはどんな感想をもたれるだろうか……。
まさか ─── と思うだろうか?
いやこんなものだ ─── と思うだろうか?
     まえがき≠謔
 ここに集めた13歳から18歳までの女子中・高校生の愛の体験記≠ヘ、わたしが月刊平凡≠ノ連載しているヤング・ラブ・ストーリー≠フ体験記に応募された昭和50年1月から6月までの約2000篇の中から平凡出版社と本人の了解を得て選んだものである。
 戦後日本の男女共学は、やがて30年の歴史を持つようになる。男女共学の模索時代から定着時代を経て、どんなふうに十代の性のモラルが変化してきたか。
 わたしは、その間、女学生雑誌の編集者を10年、ジュニア小説を書いて15年、彼女たちの生活の移り変わりをつぶさに見て来たが、ここ5年間の大きな変化には目を瞠るものがある。
 それは、一面、昭和元禄といわれ、またセックス解禁などがいわれる社会的風潮にも一因があろうが、また共学の当然の帰着であったかも知れない。
 ここでは女子の投稿のみに限定して集録することにしたが、約2000篇の投稿のうち約9割が、女性のものである。そして、かつては、男性の投稿にみられたような内容のものを現在では女性が書き、むしろ僅かな男性の投稿には、男性が女性の被害者として書かれているものが、かなり多かった。
 もちろん、女性の体験の背後には、男性がある。そこで活躍する多くの男性は、もはや体験記をこと新しく書くほど初々しい心は持っていないかのようである。実際に、女性の投稿の中で活躍する男性は、女性に対し、実に手なれたものだという感じがする。
 倫理的な問題はさておき、わたしが読んだ彼女たちの体験記は、多くの点で共通点があり、同時に類型的であった。
 年令は13歳あたりから18歳あたりまで。特に16歳をピークにして、性の解放がロー・ティーン化しつつある。そして、高等学校教育の大衆化にともなって、意識程度も高く、また家庭、社会環境が一部に片寄るということもなくなっている。
 ただ、ここに集録したものは、内容の類型化を避け、内容の変化を求めたため、その辺の事情を表現するには、ややもの足りなくなったことは残念である。
 一方で受験地獄がいわれる学園。つい教育の議論はその方に向けられがちだが、その反面で目下進行しているこうしたモラルの問題があることを忘れてはならない。
 同世代の方々、あるいは、父母、あるいは子弟の教育を考える人たちにとって、彼女たちの世代になにが起こりつつあるかを正確に知っていただきたいと思う。
赤 松 光 夫