表 紙 説 明
YOUNG・シリーズ E15
第一章 病床日記
第二章 発病まで
第三章 闘病生活(その一)小牧クリニック
第四章 闘病生活(その二)串間病院
第五章 天国への階段
書 名:十五歳の絶唱 骨肉腫で亡くなった川畑朋子さんの記録
著 者:若城希伊子
初 版:S50.02.10
備 考:後年、秋元ジュニア文庫C1として改装版を発行
  宮崎県串間市、本城中学2年生でソフトボール部のキャプテンだった川畑朋子さんが、ある日突然不治の病に襲われた。「骨肉腫」というその病魔は、確実に少女の肉体をむしばんでいった。
  激痛と闘い、死と直面しながら書き続けた朋子さんの日記には、最後の最後まで生への執念が燃やしつづけられていた。しかし、1年近い絶望的な闘病生活の末、昭和49年1月17日15歳の若い命を閉じたのだった。
どうか、この本を読んで生きることの尊さ、すばらしさをあらためて考えてほしい。
朋子さん、苦しみのない天国でどうぞやすらかに。


この本を今は亡き川畑朋子さんに捧げます。
    表紙見返しより(昭和50年当時の医療水準からみた記述と解釈してください。)

  骨肉腫とは、現代の医学のなかで最も難病とされているガンの一種で、子供の手、足の一部の組織が、突然かってな増殖をはじめ、その部分の骨が破壊されたり、かたい腫瘤となってふくれあがる。骨の深部に発生するため、早期発見がきわめてむずかしい。
  手、足の一部に発生した腫瘍はやがて全身にひろがり、一年もたてば生命をうばってしまう。おとなのガンに相当する小児の代表的な悪性腫瘍で15才前後の年少者に最も多い。現在はっきり判明しているだけでも、全国で150人ほどの患者がいるという。
  この病気に対する研究はかなり進んでいるものの、その発生原因はわからず、特効薬もなく不治の病いとされている。