表 紙 説 明
秋元文庫昔ばなし・シリーズ F1
書 名:テレビまんが物語一休さん(1)
編 者:テレピまんが制作スタッフ
カバー・さし絵:ジュニオ・プロ
初 版:S52.03.25
備 考:
  目  次 作  者
第一話 てるてる坊主と小僧さん 辻 真先
第二話 とんち合戦とねこのタマ 山崎忠昭
第三話 すて子と闇夜のカラス 田代淳二
第四話 ケチ兵エと歌の名人 山崎忠昭
第五話 立派な衣装と風邪薬 山崎忠昭
第六話 桔梗屋さんと思い出ばなし 辻 真先
第七話 あみだ様とわら靴 田代淳二
一休さん 天皇の子として生れるが、出家して安国寺にあずけられる。誰からも愛されて、とんち小坊主として有名になる。
伊予の局 一休さんの生母。南朝の武士の娘であったため、北朝の天皇をいただく足利幕府によって宮中から追放された。
和尚さま (外鑑和尚)一休さんを慈愛の眼で見守っているが、立派な坊さんになるためにはと、きびしい修行をさせている。
将軍さま (足利義満)一休さんが成人しても幕府に反逆しないよう常に監視の眼を光らせている。怒りっぽいが根は好人物。
新右ェ門さん (蜷川新右ェ門)寺社奉行として一休さんの監視役でありながら、いつも味方してくれる正義感の強い武士。
さよちゃん 寺男・吾作の孫娘。一休さんとは大の仲よし。両親を戦争のため失っているが、すなおなやさしい女の子。
桔 梗 屋 (利兵エ)何かにつけて一休さんに意地悪をする、ずるがしこくて欲の深い商人。
弥  生 わがままでお転婆な桔梗屋のひとり娘。でも、心の中では一休さんが好きでたまらない。
  一休さん≠ノついて  巻頭解説より
一休さん≠アと一休禅師は、後小松天皇の皇子として、明徳5年(1394年)正月元旦に、京都・洛西の民家で生まれ、幼名を千菊丸(菊麻呂)といいました。
 その時代は、朝廷が南朝、北朝と二つに分かれていて、千菊丸の生母・伊予の局は南朝の武士の娘であったため、北朝の天皇をいただく足利幕府は、伊予の局を宮中から追放してしまいました。
 さらに幕府は、千菊丸が成人したのち、足利幕府に反逆することを恐れ、千菊丸を母の手からもぎ離して、京都の安国寺に預け、お坊さんの修行をさせたのでした。
 千菊丸は生まれつきたいへん利発な子供で、その知恵の鋭さに当時の人たちは舌をまいたということです。この頃は名前を周建と称していました。
 22才のとき、近江(今の滋賀県)堅田の禅興庵で聖僧と聞こえた華叟禅師の弟子となって修行をつみ、ここで一休という名前をもらったのです。
 行を極めた一休禅師は、27才のとき、当時天下第一の名刹といわれた京都大徳寺の住職となることを乞われましたが、それをふり捨てて行雲流水(修行の旅)に出たのでした。
 一休禅師が、常に布教と衆生の済度に尽くし、ようやく大徳寺の住職となることを承諾したのは、齢81才になってからのことでした。
 まもなく、応仁の乱で焼かれた大徳寺の再建をなしとげ、文明13年(1481年)11月21日、薪村の酬恩庵で、その88年の清らかな生涯を閉じました。