表 紙 | 説 明 |
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秋元文庫翻訳ものシリーズC6![]() |
書 名:ジュリーは十六才 原 題:Going on Sixteen 著 者:ベティ・カヴァナ 訳 者:永井比奈子 初 版:S48.11.30 備 考:翻訳権所有 B6判あり 秋元書房ジュニア・シリーズ15 |
早く18才になることと画家になること ── これが高校1年生ジュリー・ファーギュソンのひそかな夢であり野心でした。B6判では早く16才になること≠セったのですが… はにかみやで、社交べたの彼女はボーイフレンドもなく、はげしい劣等感に苦しみながら、純血コリー種の子犬をりっぱに育てることへの献身と愛情の中に生きがいを求め、やがて絵画に自分のかくれた才能を 見出します。 「高校を出たら美術学校へゆくつもりよ」と平気で級友に告げられるほど自信を持つ少女に成長したのです。ジュリーはいますこしで16才になるのです。 ティーンの少女に深い理解と愛情をもってえがいたベティ・カヴァナ女史の代表作。 | |
主 要 人 物 ジュリー・ファーギュソン ― メドーブルック高校の1年生。ひそかに画家になることを夢みているが、生来の内気と社交下手のため友達もなく劣等感に苦しんでいる。 トム・ファーギュソン ――― ジュリーの父親。フィラデルフィアの郊外に農場を営み、犬の飼育が上手。 デ ィ ッ ク ─―― ジュリーの幼な友達の少年。 フィリップ・ロンスデール ――― 東部で立派なコリー犬の飼育場を経営している紳士。 ソ ニ ー ─―― 純血コリー種の仔犬。ロンスデール氏の犬だが、ジュリーの献身的な愛情によって見事に成長する。 ジョン・フォード ─― ディックの従兄。 ア ン ─―― ジュリーの級友。クラス一の美人。 コニー・ブレーク ―― ジュリーの級友。社交上手なやさしい少女。 ヘレン・グレーブス ― コニーの叔母。フィラデルフィアの出版社の美術主任リットン夫人の秘書。 ファーレル 先生 ―― 美しい新任の絵の先生。ジュリーの画才を発見してやさしく指導してくれる。 |
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巻 末 訳 者 解 説 よ り(抜粋) この小説の作者、ベティ・カヴァナ女史は、アメリカでテイーン・エージャーに人気の高い作家の一人で『ジュリーは十六才』(Going on Sixteen)をはじめたくさんのジュニア向けの小説を、書いています。十代の人たちを、彼らが直面するいろんな問題に深い理解と同情をもって書かれたカヴァナ女史の小説は、どれもみんなたのしく含蓄にとんだ傑作ばかりですが、なかでもこの『ジュリーは十六才』が、わたしの読んだ範囲では最高傑作のように思います。なによりもまず劇的な起伏にとんだ筋立てのおもしろさと登場人物の性格や心理の叙述の巧みさは、他の少女小説とくらべて群をぬいていると思います。カヴァナ女史の作品は本書ではじめて(注:ジュニア・シリーズ15 昭和31年12月15日)わが国に紹介されたわけですが、その他の代表的作品を列記してみますと『イージー街六番地』『少女は夢みる』『春は馬に乗って』『絵具箱の夏』『二人は仲良し』『黒いスパニエル犬事件』『子犬の賭け』などがあります。女史はこの物語のジュリーのように犬が大好きで、最後の二つの作品は犬を扱った小説です。『黒いスパニエル犬事件』は、女史がいちばん好きなスパニエル種の双子の犬が誘拐される事件をテーマにした、少女推理小説の傑作として異彩を放っています。 ベティ・カヴァナ女史は、ニュー・ジャージー女子大学で新聞学を専攻したのち、新聞界にはいり、広告宣伝方面の仕事にたずさわっていましたが、やがてアート・ディレクターになりました。彼女の仕事は子供たちや若い人たちのためのさし絵を買うことでしたが、そんな関係からティーン・エージャーのために物語を書くようになりました。はじめ短篇小説を書いて、雑誌や新聞に発表し、ある作品はラジオの台本にとりあげられ放送されたこともありました。 |