表 紙 説 明
秋元文庫加藤諦三文庫 A1
第一章 青春の思索
第二章 本来の自己とにせの自己
第三章 古いノートからの断片
第四章 生きがいについて
書 名:青春ノート
著 者:加藤諦三     
初 版:S48.06.30
備 考:
 諦三文庫・青春シリーズの最新書き下ろし
現代の若者はいかに生くべきかを示す待望の書。


< は し が き >より
 自分を隠さないことである。他人の好意のなかで生きようとするよりも、自分の確信のうえに生きようとすることである。まず他人に好かれようとすると、とにかく自分を隠さなければならない。
 自分を隠して他人に好かれる生き方は、たえず気をつかって疲れてしまう。いつも疲れている。
 自分の側から他人に好意をもっても、他人から好意を得ようとはしないことである。他人から好意を得ようとすれば疲れる。他人からの好意は自然の流れにまかせることである。自分の側から努力することは、自分が他人に好意をもつことである。
 どうしてそんなに嫌われることを恐れるのだ。
 この本に書いてあるのはみんなそんなあたりまえのことばかりである。
 しかし最近は、このあまりにもあたりまえのことが無視されて、あたりまえでないことをいうことがえらいことだと錯覚している人がいる。あたりまえのことをいうと馬鹿で、あたりまえでないことをいうと利口のようにみえる。これは人間がひねくれている証拠である。